2006 Fiscal Year Annual Research Report
ユーイング肉腫/PNETにおけるFISH解析によるEWSR1遺伝子変異の同定
Project/Area Number |
17590327
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
長谷川 匡 札幌医科大学, 医学部, 教授 (40281167)
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Keywords | 病理学 / 融合遺伝子 / 細胞・組織 / ユーイング肉腫 / 横紋筋肉腫 / FISH / EWSR1 / FKHR |
Research Abstract |
ユーイング肉腫/PNETと同様に、小児に好発する代表的な小円形細胞腫瘍である横紋筋肉腫の亜型診断におけるFISH解析の有用性を明らかにする目的で、33例の横紋筋肉腫を対象にFKHR(13q14)DNAプローブを用いたFISH解析を行った。胎児型横紋筋肉腫のFISHシグナルの検出率は94.7%(18/19)、胞巣型に特異的なFKHR遺伝子変異を示す分離シグナルは100%(18/18)陰性であった。一方、胞巣型の検出率は92.8%(13/14)、分離シグナルは92.3%(12/13)に陽性であった。以上の結果から、胎児型および胞巣型横紋筋肉腫におけるFISH解析は検出率、陽性率ともに高く、亜型診断における有用性が高いと判断される。 さらに、細胞遺伝子学的特徴が異なる二つの腫瘍、すなわち胃に発生した胃腸管間質腫瘍GISTと後腹膜に生じたユーイング肉腫/PNETが同一患者に認められたまれな症例を経験した。前者に対しては、遺伝子変異解析の結果、PDGFRα遺伝子のエクソン18の点突然変異が認められた。臨床的に、後腹膜腫瘍はGISTの再発・転移であるのか問題となったが、EWSR1(22q12)DNAプローブを用いたFISH解析によって、EWSR1遺伝子再構成が検出され、ユーイング肉腫/PNETの診断を確定することができた。これら二つの腫瘍の細胞遺伝子学的な関係は明らかでないが、それぞれの腫瘍に対する治療は異なることから正確な組織診断は重要であるといえる。
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Research Products
(38 results)