2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナチュラルキラーT(NKT)細胞の動脈硬化症に対する促進メカニズムの解明
Project/Area Number |
17590331
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岩渕 和也 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (20184898)
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Keywords | 動脈硬化症 / マウスモデル / 循環器 / NKT細胞 / リポ多糖 / アポリポプロテインE / CD1 / PPARγ |
Research Abstract |
1)放射線骨髄キメラ[CDld^<-/->->Ldlr^<-/->],[β_2m^<-/->->Ldlr^<-/->],[Jα18^<-/->->Ldlr^<-/->],[WT->Ldlr^<-/->]を作製し、骨髄再建後4週から5週間、ウェスタンダイエット(高脂肪食)を給餌し、現在大動脈弁輪部標本を作製中である。血清で検索したLDL, HDL, VLDL, chylomicron, adiponectin等の測定値は各キメラ間で有意差は認めなかったので、ドナーの系統によって脂質代謝は影響を受けないことが判明した。 2)リポ多糖(LPS)投与によるアテロームの増大において、NKT細胞の果たす役割をapoE^<-/->、およびapoE^<-/->CDld^<-/->マウスを用いて検討した。その結果、毎週1回LPS(E.coli O55:B5)を0.5μg/g体重で5週間腹腔内投与したapoE^<-/->群では、PBS投与apoE^<-/->群と比較して病巣の有意な進展を認めた(LPS群:546039±245109 vs.PBS群:355570±210038μm^2,P=0.0293)。一方apoE^<-/->CDld^<-/->マウスでは、動脈硬化病巣進展がapoE^<-/->に比較して抑制され、且つLPS投与による病巣の増大は認められなかった(LPS群:131446±131735 vs.PBS群:149511±63605μm^2,P=0.8567)。以上の結果から、LPSによる動脈硬化病巣の進展にも、NKT細胞が促進的に機能していることを明らかに出来た。このことは、感染症や微生物由来物質の作用が、NKT細胞を介して動脈硬化を進展させ得ることを示唆し、病巣進展過程を修飾する因子としてのNKT細胞の重要性が再確認された(投稿準備中)。 3)PPARγはNKT細胞のサイトカイン産生に影響を与えることを明らかにした(投稿準備中)。
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