2006 Fiscal Year Annual Research Report
メチルCpG結合蛋白MBD4とRFP蛋白を介した転写抑制メカニズムの解明
Project/Area Number |
17590333
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
近藤 恵美子 東北大学, 大学院医学系研究科, 臨床検査技師 (20374928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福重 真一 東北大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (90192723)
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Keywords | 遺伝子 / 発現制御 / 転写抑制 / メチルCpG結合蛋白 / MBD4 / RFP |
Research Abstract |
本研究では、メチルCpG結合蛋白MBD4をbaitにした酵母の2ハイブリッドスクリーニングにより相互作用蛋白として同定されたRet finger protein(RFP)のMBD4転写抑制活性における役割を明らかにすることを目的とした。 本年度はまず、MBD4とRFPの相互作用について詳細な解析をおこなった。GSTプルダウンアッセイにより、MBD4とRFPが直接、相互作用することを明らかにした。また、酵母の2ハイブリッドの系を用い,MBD4とRFPの相互作用領域について解析した。その結果、MBD4ではC末の413〜580アミノ酸残基がRFPと相互作用した。この領域はDNAミスマッチ修復蛋白MLH1との相互作用領域とグリコシラーセ活性部位からなり、また、MBD4の転写抑制活性ドメインとも一部重なっている。一方、RFPの相互作用領域は128〜317アミノ酸残基であり、蛋白-蛋白相互作用に関与するcoiled-coilドメインに相当する。 昨年度、RFPはMBD4だけでなくMBD2、MBD3とも相互作用し、MBD2の転写抑制活性を増強することを明らかにした。そのため、本年度はRFPがMBD2の転写抑制活性の必須な構成成分であるのかどうかをチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO-K1)を用い、RNA干渉法によりRFPのノックダウンをおこない、MBD2の転写抑制活性への影響を解析することにした。MBD2の転写抑制活性は、メチル化したCDKN2A、MLH1プロモーターの下流にβ-ガラクトシダーゼ遺伝子を挿入したレポータープラスミドとMBD2の発現ベクターをそれぞれの細胞にトランスフェクションすることによって解析した。CDKN2A、MLH1メチル化プロモーターいずれの場合も、RFPを蛋白レベルで約80%ノックダウンしてもMBD2転写抑制活性には何の影響もなかった。このことは、RFPのMBD2転写抑制活性への関与は付加的なものであり、RFP過剰発現によりMBD2転写抑制活性が増強されることを示すと考えられた。
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Research Products
(1 results)