2006 Fiscal Year Annual Research Report
免疫系細胞に発現するC-型レクチンによる微生物菌認識とTLR応答への関与
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17590342
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高原 和彦 京都大学, 生命科学研究科, 講師 (90301233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 カヨ 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (00115792)
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Keywords | レクチン / TLR4 / TLR2 / RAW264.7 / グラム陰性菌 / サイトカイン / Candida albicans / Zymosan |
Research Abstract |
免疫系細胞にぱ種々のC型レクチンが発現し、糖鎖を介するパターン認藏レセプター(PRR)として微生物の捕捉に働く。我々は、いくつかのレクチンが微生物・抗原レセプターしてだけではなく、もう一方のPRRであるTLRと相互作用しその応答に影響する等、レクチンの新たな機能を示唆してきた。昨年度は細胞のグラム陰性菌認識時におけるレクチンSIGNR1とTLR4の共同作用を明らかにした。今年度は細胞のCandida albicans認識時におけるSIGNR1とTLR2の共同作用について解析し以下の点を明らかにした。1)マクロファージ様細胞株RAW264.7にSIGNR1を導入すると酵母細胞壁成分zymosanおよび病原性酵母+E37C.albicansに対するTNF-α産生が昂進した。2)この作用は、抗SIGNR1抗体およびDectin-1リガンドlaminarinの添加によって顕著に低下した。3)またこの作用は、zymosanをアルカリ加熱処理しTLRリガンドを消失させると低下した。4)同様に、系に抗TLR2抗体を加えるとTNF-αの産生が抑えられた。5)免疫沈降により、SIGNR1とTLR2の物理的な結合が確認された。6)TNF-α産生昂進にはSIGNR1の細胞内領域は不要であった。7)一方、SIGNR1発現RAW264.7はC.albicansに対して殺菌活性を示し、これにはSIGNR1細胞内領域は関与していなかった。8)SIGNR1および酵母細胞壁成分β-グルカンレセプターであるDectin-1の細胞外領域を作成し、これを用いて菌糸型C.albicansへの結合を検討したところ、SIGNR1のみが結合した。9)酵母型C.albicansをSIGNR1発現RAW264.7と共培養したところ、伸長したhyphae部分より細胞内に進入し、その部分にSIGNRIの局在を確認した。よって以上の結果より、SIGNR1はTLR2と共同して細胞のサイトカイン産生を昂進し、一方で細胞への感染初期段階でC.albicansを認識し細胞の抗菌活性に寄与している可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)