2006 Fiscal Year Annual Research Report
小脳性運動失調と雄性不妊を示すマウスミュータント責任遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
17590347
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
原田 孝之 島根大学, 医学部, 教授 (90112135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大平 明弘 島根大学, 医学部, 教授 (00169054)
中野 晃伸 島根大学, 医学部, 助手 (70263514)
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Keywords | AMSマウス / Nna1遺伝子 / 点突然変異 / 細胞死 / トランスフェクション |
Research Abstract |
常染色体劣性の遺伝形式を示すataxia and male sterility(AMS)マウスの責任遺伝子が古典的ミュータントPCDマウスの責任遺伝子Nna1とアリルの関係にあることがヘテロ接合体どうしの交配から判明したので、ams変異について解析した。結果:1.Nna1のcDNA(3483塩基)を7又は3個に分割しRT-PCRにより大脳および心臓のmRNA発現を調べた。AMSマウスと対照のMRL/+との間に発現量やPCR産物の分子サイズに明らかな違いは認められなかった。2.Nna1 mRNAの発現は、小脳、大脳、肝、腎、脾、卵巣、精巣、肺、心臓など膵を除く調べた全て臓器にみられた。3.Nna1塩基配列をC57BL/6とMRL/+およびMRL/1prとで比較すると8ヵ所で多形がみられた。4.AMSマウスのams変異は、Nna1遺伝子エクソン17の423塩基の点突然変異(CGA→CCA)であった。5.ヒト線維芽細胞株にトランスフェクションを試みると、野生型cDNAでは胞体内に発現がみられたが、FLAG結合変異cDNAの細胞内発現はみられなかった。考察とまとめ:Nna1遺伝子は軸索の傷害・再生に関連して発見された。その生化学的機能は不明だが、AMSマウスで明らかなようにプルキンエ細胞の生存、精巣の生殖細胞の分化・生存に必須である。Ams変異は点突然変異によるloss of functionであった。それによってmRNAの発現はまったく影響を受けなかったが、Nna1蛋白が発現していないことが示唆された。この原因として、Nna1蛋白の808番目のアミノ酸がArg→Proに変異することにより蛋白の3次元構造が不安定化し分解されやすくなったことが考えられた。
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Research Products
(2 results)