2006 Fiscal Year Annual Research Report
消化管粘膜上皮細胞の分化・増殖に関わる生理活性物質の病態生理機構の解明
Project/Area Number |
17590354
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
伊藤 浩史 福井大学, 医学部, 教授 (80253847)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 裕 宮崎大学, 医学部, 助手 (00347056)
片岡 寛章 宮崎大学, 医学部, 教授 (10214321)
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Keywords | HGF / HGFA / HAI / H2RSP / 消化管 |
Research Abstract |
我々はこれまで、消化管上皮細胞の増殖・分化にHepatocyte Growth Factor(HGF)が大きな役割を果たしていること、特にHGFの消化管上皮局所での活性化に、特異的活性化因子であるHGF Activator(HGFA)による限定分解が必要で、そのHGFAの活性調節には膜結合型インヒビターであるHGF activator inhibitor(HAI)が重要な働きをしていること、HGFAノックアウトマウスでは傷害粘膜上皮の再生修復が著名に遅延することなどを明らかにしてきた。さらに、この研究の過程で、HAI-2遺伝子の11kb下流にアミノ酸106個からなる新規核移行ペプチドHAI-2 Related Small Peptide(H2RSP)を発見し、in vitroの解析で核に移行するペプチドであることを報告してきた。前年度の研究で我々は、H2RSP-GST癒合蛋白質を大腸菌培養によって大量に作成し、それを用いて抗H2RSP抗体を作成、様々な組織(消化管正常および炎症性、腫瘍性疾患)でのH2RSPの局在を免疫組織学的、さらにIn situ hibridization法を用いて解析した。特にマウスモデルを使った研究で、H2RSPは傷害を受け再生中の消化管上皮細胞では核に移行せずに細胞質に留まっており、消化管上皮細胞の増殖・分化にH2RSPが大きな役割を果たしていることを明らかにし報告した(Virchow Arch,448:354-360,2006)。今年度は免疫沈降法を用いて、H2RSPに結合する蛋白や核酸の検索や、ヒト大腸癌でのH2RSPの発現を免疫組織化学的に検討した。その結果、大腸癌の浸潤先端ではH2RSPとP16蛋白の局在が、ほぼ完全に一致し、これらの蛋白の関連性が示唆され、H2RSPと結合する核酸としてPoly Gを含むリボゾームRNAが候補であることを明らかにした(Gut,56:215-226,2007)。さらに、HGFAやHAI-2とH2RSPとの関連を明らかにするため、機能的なリコンビナントHGFA、HAI-2、H2RSPを作成する目的で、昆虫細胞を用いた大量培養を行うため、それぞれの蛋白の機能ドメインに変異を入れたコンストラクトを構築した。また、H2RSPノックアウトマウスを作る目的でターゲティングベクターの構築を行った。
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Research Products
(1 results)