2005 Fiscal Year Annual Research Report
尿管閉塞モデルにおける腎間質性線維化発症の分子機構
Project/Area Number |
17590358
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
村垣 泰光 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (40190904)
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Keywords | UUO / TGF-β / EMT / Smad3 / Snail |
Research Abstract |
マウスの尿管を片側性に結紮する(UUO)と腎臓は水腎症となり腎間質性線維化症を発症する。これはUUOの刺激によりTGF-βが分泌され腎尿細管上皮細胞がそれに反応して間葉細胞に形質転換(EMT)を起こすことにより間質の線維化をきたすことが知られている。我々はTGF-βの細胞内シグナル分子であるSmad3のノックアウトマウスではUUOを行っても腎尿細管上皮細胞はEMTを起こさない事を見出した。このことから腎尿細管上皮がTGF-βの刺激を受けて間葉細胞に形質転換するのはSmad3を介することを明らかにした。本研究では腎尿細管上皮細胞がEMTを起こす時細胞内におけるSmad3の他の分子との分子間相互反応を解明する目的で研究を行っている。Smad3のシグナル経路をより明確にするためにSmad3の過剰発現マウスの作成を本年度の主な目標として実験を行った。Smad3 cDNAの全長をPCRクローニングし、それをCMVプロモータに連結したものをベクターとしてトランスジェニックマウスを作成した。現在野生型マウス、Smad3ノックアウトマウス、および本年度作成したSmad3過剰発現マウスを用いてUUOを行うことにより腎間質性線維化を作成し、Smad2,3,4,7の発現量およびそれらのリン酸化の程度をノーザンブロットおよびウエスタンブロットにより検索を行っている。さらにSnailの発現とEMTとの関係について研究を進めていく予定である。
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