2005 Fiscal Year Annual Research Report
EBウイルス感染によるTおよびNK細胞の免疫機能修飾の研究
Project/Area Number |
17590359
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
菅野 祐幸 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (40252663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 幹也 岩手医科大学, 医学部, 講師 (80254770)
鎌滝 章央 岩手医科大学, 医学部, 助手 (60360004)
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Keywords | EBウイルス / サイトカイン / 慢性活動性EBウイルス感染 / 血管炎 / 接着因子 |
Research Abstract |
1)EBV遺伝子発現T細胞クローンの樹立と機能解析 部位特異的組換え法を用いてEBER, LMP1の安定発現株の樹立を試み、現在のところ3株のEBV陰性T細胞株について、EBER組込みT細胞クローン、及び対照プラスミド組込みクローンの樹立に成功している。LMP1の安定発現クローンはまだ得られておらず、発現プラスミドの見直しを進めている。EBER発現クローンについては、そのサイトカイン発現変動の検討をリアルタイムRT-PCRにより進めており、Th2サイトカインmRNAの発現亢進を来すことを見出している。マクロファージの活性化を来すTh1サイトカインはやや抑制される傾向にあり、LMP1がTh1サイトカイン発現亢進の責任遺伝子である可能性が示唆される。 2)EBV感染NK/T細胞株でのsiRNAによるLMP1遺伝子発現抑制 RNAポリメラーゼIII系プロモーターであるhU6プロモーター制御下にLMP1のsiRNAを発現させるプラスミドを構築し、EBV感染NK細胞株に遺伝子導入し、薬剤耐性マーカーにより組込み細胞クローンを樹立することができた。今後、LMP1 mRNAの発現低下の確認とともに、サイトカイン発現変動の検討を進める予定である。 3)EBV感染NK/T細胞株と培養血管内皮の相互作用 培養血管内皮細胞との接着をin vitroで検討したところ、EBV感染NK/T細胞株で発現が亢進しているサイトカインでの内皮細胞の前処理により、細胞接着の亢進が認められた。その際、内皮細胞での接着因子発現亢進が認められ、接着因子中和抗体を用いた接着阻害実験により、IL-1 betaあるいはTNF alphaにより発現が誘導されるVCAM1が責任接着因子であることが明らかとなった。
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