2006 Fiscal Year Annual Research Report
EBウイルス感染によるTおよびNK細胞の免疫機能修飾の研究
Project/Area Number |
17590359
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
菅野 祐幸 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (40252663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 幹也 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (80254770)
鎌滝 章央 岩手医科大学, 医学部, 助手 (60360004)
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Keywords | EBウイルス / サイトカイン / 慢性活動性EBウイルス感染 / 血管炎 / 接着因子 |
Research Abstract |
1)EBER発現T細胞クローンの樹立と機能解析 ヒトT細胞株Jurkat, MOLT4及びMOLT14を用いて、部位特異的組換え法によるEBV-encoded small RNA(EBER)安定発現クローンを得ることができた。EBER発現に伴い、MOLT4ではTNFα mRNA発現が低下する一方、MOLT14ではIL-10 mRNA発現が亢進し、またJurkatではIL-4及びIFNγ mRNA発現が亢進した。EBER発現に伴うサイトカイン発現変動には細胞株依存性が見られたが、EBERの発現レベルはEBV陽性NK/T細胞株に比べて概して低く、RT-PCRでは全クローンで発現を確認できたものの、ノーザンブロットで発現が確認できたのはMOLT14のみであった。 今後、EBER遺伝子をタンデムにつないだベクターの導入によりEBER高発現クローンの樹立を試み、EBER発現レベルとサイトカイン発現変動の相関を検討する予定である。また、各T細胞株での各サイトカイン発現調節領域の配列の確認と関与が想定される転写因子の活性化状態の把握を行い、EBERの機能解析の手がかりを得たい。 2)LMP1発現T細胞クローンの樹立 部位特異的組換え法によるLMP1安定発現T細胞株は得られていない。プロモーターを変えてみることで発現レベルを変え、安定発現株の樹立を試みる。 3)EBER発現T細胞クローンでのPKRリン酸化の検討 EBER発現によりT細胞株に誘導された機能変化の誘導機序に、EBERとの結合により活性化(自己リン酸化)が阻害されることが知られているdsRNA-dependent protein kinase(PKR)が関与するか否かを、抗PKR抗体、及び抗リン酸PKR抗体を用いたウエスタンブロットにより検討したところ、ノーザンブロットでEBERの発現が確認できたMLOT14において、リン酸化PKRの低下が認められた。
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