2005 Fiscal Year Annual Research Report
BCL11A機能からみたリンパ球分化制御機構の解明
Project/Area Number |
17590364
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
桑田 健 (財)癌研究会, 癌研究所発がん研究部, 研究員 (00327321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 卓郎 (財)癌研究会, 癌研究所発がん研究部, 部長 (00180373)
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Keywords | BCL11A / B細胞 / T細胞 / 遺伝子再構成 / IL7 / Pax5 / 核内小体 / SUMO |
Research Abstract |
1.生物学的BCL11A機能の解明:BCL11AノックアウトマウスではB細胞が欠失するが、これはProBからPreB細胞期での分化異常によると考えられている。この原因を明らかにするため、胎児肝細胞における免疫グロブリン重鎖(IgH)の再構成を検討した。ノックアウトマウスではIgH再構成がおこらないことが示された。またPreB細胞はIL7刺激により誘導されるが、BCL11AノックアウトマウスではIL7刺激によるProB細胞の誘導が消失している。RT-PCRを用いた解析により遺伝子発現検索より、BCL11Aノックアウトマウス胎児肝細胞においてIL7受容体は発現していることが示された。BCL11AはIL7受容体よりのシグナル伝達の下流に位置する可能性がある。またノックアウトマウス胎児肝細胞ではB細胞発生分化関連遺伝子であるEBF, Pax5の発現低下がおこっていることを見い出した。一方胸腺におけるT細胞発生については、ノックアウトマウスではその数の著明な減少と、double negative細胞分画の相対的増加が認められた。BCL11A標的遺伝子としてリンパ球分化に関わる遺伝子の発現をBCL11Aを過剰発現させた胸腺上皮細胞ではNotchリガンドの発現亢進が認められた。 2.BCL11A分子機能の解明:BCL11Aの形成する核内小体にはSUMO1およびSUMO E2リガーゼが共局在した。またBCL11AがSUMO E3リガーゼと会合することが示された。BCL11AのSUMO修飾部位に変異を加えたミュータントもSUMO1と共局在した。
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