2005 Fiscal Year Annual Research Report
Primary effusion lymphomaの発症機構に関する研究
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17590365
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
片野 晴隆 国立感染症研究所, 感染病理部, 室長 (70321867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 隆行 国立感染症研究所, 研究官 (50272563)
佐多 徹太郎 国立感染症研究所, 部長 (00162397)
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Keywords | Primary Effusion Lymphoma / ヒトヘルペスウイルス8 / リンパ腫 / プロテオミクス / DNAアレイ |
Research Abstract |
Primary Effusion Lymphoma(PEL)はエイズ患者に発症する予後不良の稀なリンパ腫でヒトヘルペスウイルス8(human herpesvirus 8,HHV-8)感染が見られる。PELは他のリンパ腫と異なり、固形腫瘍を形成しないで胸水や腹水などの体腔液に培養細胞のように浮遊する形で増殖する。本研究ではこの特異な病態の発症機構を知るためにPEL細胞株を免疫不全マウスの腹腔に移植して得られた液性リンパ腫と固形リンパ腫の二つの成分を比較、解析した。 まず、HHV-8感染PEL細胞株TY-1をSCIDマウスの腹腔内に投与し、1-2ヶ月後に液性リンパ腫と固形リンパ腫を得た。ここからタンパクとmRNAを抽出しEttan DIGEシステムを用いたプロテオミクスとDNAアレイを用い、液性リンパ腫と固形リンパ腫の間で差のある分子を検索した。プロテオミクスとDNAアレイではそれぞれ様々な分子が同定されたが、発現比較においてはプロテオミクスの結果とDNAアレイの結果はよく相関し、2方法で検出された分子もあった。最終的に固形リンパ腫で高発現する分子群と液性リンパ腫で高発現する分子群が同定され、固形リンパ腫で高発現する分子の中にはリンパ球の接着因子として重要な分子LFA-1が含まれていた。LFA-1の発現はウエスタンプロットと免疫染色で確認した。 B細胞やリンパ腫における接着因子の発現機構についてはあまり知られておらず、本研究でLFA-1と連動するものとして同定された分子群がその調節、活性化機能に関連しているものと考えられる。現在これら分子群の発現の確認とLFA-1をPEL細胞に遺伝子導入することにより、PEL発症における接着因子の役割の解明を行っている。
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[Journal Article] Decrease of Epstein-Barr virus-positive AIDS-related lymphoma in the era of highly active antiretroviral therapy
Author(s)
Hishima T, Oyaizu N, Fujii T, Tachikawa N, Ajisawa A, Negishi M, Nakamura T, Iwamoto A, Hayashi Y, Matsubara D, Sasao Y, Kimura S, Kikuchi Y, Teruya K, Yasuoka A, Oka S, Saito K, Mori S, Funata N, Sata T, Katano H.
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Journal Title
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