2005 Fiscal Year Annual Research Report
線虫感染に伴うマスト細胞の増殖とE-カドヘリンの機能に関する研究
Project/Area Number |
17590374
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
手越 達也 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (40254370)
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Keywords | マスト細胞 / 線虫感染 / 接着分子 / E-カドヘリン / Ep-CAM |
Research Abstract |
マスト細胞は即時型アレルギーの病態形成や炎症・免疫反応に関与し、粘膜型マスト細胞は小腸の粘膜免疫と線虫感染防御機構において重要な役割を演じている。我々は粘膜型マスト細胞のモデルとして骨髄細胞にIL-3を添加培養して得られたマスト細胞にE-カドヘリンが発現し、E-カドヘリンを発現する細胞との間でホモフィリックな接着能を有することを明らかにした。また、骨髄細胞にIL-3,SCF,IL-9,TGF-β1を加え培養し得られたマウスマスト細胞プロテアーゼ-1を発現する培養粘膜型マスト細胞にE-カドヘリンとそのヘテロリガンドであるインテグリンαEβ7が同時に発現しE-カドヘリンを介した接着能を有すること、線虫感染マウスの小腸粘膜型マスト細胞にインテグリンαEβ7が発現することを明らかにした。一連の研究でE-カドヘリン、インテグリンαEβ7は粘膜型マスト細胞の局在に深く関与していることが示唆された。 本年度は培養粘膜型マスト細胞を用い種々の接着分子発現をmRNA、蛋白レベルで解析した結果、tight junctionの裏打ち蛋白であるZO-1、接着分子Ep-CAM(Epithelial Cell Adhesion Molecule)の発現を新たに認めた。ZO-1はE-カドヘリンの細胞内結合蛋白α-カテニンやアクチンフィラメントと結合しカドヘリンを介する細胞間接着の機能的な構成要素の一つである。Ep-CAMはカルシウム非依存性、ホモフィリックな結合をする接着分子で、腸管においては上皮細胞、上皮細胞間リンパ球(IEL)、樹状細胞などに発現する。 今後、上記の遺伝子ノックダウンマスト細胞を作製し、粘膜型マスト細胞に発現する接着分子と上皮への侵入・局在に関与する解析を行なう予定である。
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