2007 Fiscal Year Annual Research Report
トキソプラズマ原虫の糖代謝調節機構の研究(経路酵素の性質調査)
Project/Area Number |
17590376
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
浅井 隆志 Keio University, 医学部, 講師 (50175163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 卓哉 東京大学, 医科学研究所, 特任助教 (20383763)
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Keywords | 糖代謝 / ヘキソキナーゼ / ピルビン酸キナーゼ / ホスホグルコムターゼ / 寄生虫 / トキソプラズマ / ミトコンドリア / アピコプラスト |
Research Abstract |
本年度はトソプラズマのピルビン酸キナーゼ-IIの細胞内分布とホスホグルコムターゼの性質について特に研究を行った。ピルビン酸キナーゼ-IIはADPの代わりにGDPを基質にする。そして至適pH領域が高く、ミトコンドリアとアピコプラストに存在する。現在のところミトコンドリアに存在するピルビン酸キナーゼはどの生物でも知られていない。N-末端に基本的な酵素配列の前に350個ものアミノ酸配列が存在する。この配列にはミトコンドリアピコプラストへの分布を予想する配列と5個ノメチオニンが観察される。この酵素がトキソプラズマの糖代謝とどのような関連があるのかは全く分からないのが現状である。ミトコンドリアとアピコプラストへの存在については、酵素のN-末端のデリーショウンミュータントを作製して詳細な分布を報告した。(J.Biol.Chem.in.press)。機能に関する解析は今後の課題である。トキソプラズマの糖代謝経路ではグルコース6-リン酸が重要であることが判明したことから、グルコース6-リン酸を基質とするホスホグルコムターゼの遺伝子組換体を作製してその性質を調べた。この酵素は植物と相同性が高く、バクテリアや近縁のマラリア原虫の酵素との相同性は低い。酵素活性はそれほど特異な性質は見られないが、2価のイオンに対する感受性が他の生物の酵素とはかなり違っていた。この酵素はマグネシウム以外の2価イオンの存在下ではほとんど活性を示さない。この酵素の性質に関しては現在論文を作成中であり近に日中に投稿予定である。
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Research Products
(2 results)