2005 Fiscal Year Annual Research Report
T細胞によって誘導される腸管寄生虫排除の最終段階におけるシアル化ムチンの作用
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17590378
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
石渡 賢治 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00241307)
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Keywords | シアル酸 / 感染防御 / 粘膜免疫 / 粘液 / ムチン / 腸管寄生線虫 / マウス / Nippostrongylus brasiliensis |
Research Abstract |
1)シアル化ムチンによる腸管寄生虫(Nippostrongylus brasiliensis ; Nb)定着への物理的、生理学的影響 免疫の成立したマウスへのNbの移入実験結果から、Nbに対するムチンの作用は物理的なものではないことが示唆された.一方、生理学的ポテンシャルの指標としてNb内のATPを測定した結果、腸管からの排除に伴ってATPレベルの低下が認められ、生理的変化が排除に関与していることが示唆された.現在、シアル化ムチンに曝された時にATPレベルの低下が認められるかについて検討している. 2)シアル化ムチンの生化学的解析 ビオチン化レクチンを用いた測定系で感染前後のムチンの糖鎖末端を解析した.一部であるが、組織学的検索結果と異なる結果が得られ、ムチンの回収方法等の検討を加えている. 3)シアル化ムチンのNbへの作用部位の検索 蛍光標識したレクチンを用いてシアル化ムチンがNbのどの部位に結合しているかを検討している.この結果はシアル化ムチンの作用機序を解析する上で重要な示唆を与えると予想している. 4)シアル酸転移酵素を欠損したノックアウトマウスによる解析 シアル酸転移酵素のうち排除に最も関与が認められたST3Gal IIIおよびST3Gal IVをそれぞれノックアウトしたマウスにおいて排除の遅延は認められなかった.これらの酵素は相補性があるために一方の酵素が欠損していても、もう一方の酵素で代償しうることが考えられた.現在、ダブルノックアウトマウスを作成中である.
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