2005 Fiscal Year Annual Research Report
ブドウ球菌エンテロトキシンの催吐シグナル伝達と分子メカニズムの究明
Project/Area Number |
17590381
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
胡 東良 弘前大学, 医学部, 講師 (10333733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中根 明夫 弘前大学, 医学部, 教授 (30164239)
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Keywords | エンテロトキシン / 嘔吐活性 |
Research Abstract |
今年度では,先ずはrecombinant SEA(rSEA)を大腸菌発現系により大量精製し,また一部のスーパー抗原活性欠損mutant SEA(mSEA)を作製・精製できた。スンクスにrSEAとmSEAの経口及び腹腔内投与による催吐活性を検討した。スンクスはrSEAの腹内投与により濃度依存的に嘔吐反応が観察された。rSEAは10μg/kg体重の濃度で供試するスンクスはすべて嘔吐が認められた。 次に,スンクス嘔吐モデルを用い,SEAによる嘔吐に関する生体内の関連細胞レセプターを検索した。セロトニン(5-HT)レセプターのantagonist,5-HT合成阻害剤等を用いて,SEAによる嘔吐反応をin vivoで比較検討した。その結果,SEAによる嘔吐はセロトニンpathwayが関与することが示唆された。 また,in vitroでは,5-HTの産生と5-HTレセプターの発現について,それぞれPCR, Western blotおよび免疫組織染色法により検討した。その結果,スンクスは脳幹および小腸には5-HT_3レセプターを強く発現し,SEA刺激により5-HTの産生を促進したことを明らかにした。 さらに,毒素の神経細胞へのシグナル伝達経路を探索した。SEA刺激による腸管上皮細胞及び神経細胞のcannabinoid receptor(CB)の発現と,5-HT陽性細胞について,ダブル免疫組織染色について検討した。小腸筋層神経細胞にはダブル陽性細胞が数多く認められた。CBシステムはSEAによる嘔吐に関与することが示唆された。
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