2006 Fiscal Year Annual Research Report
p65-scaffoldを中心とするタンパク質集合体による感染防御機構
Project/Area Number |
17590394
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
四宮 博人 愛媛大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (80162618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 喜博 愛媛大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70114353)
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Keywords | p65 / L-plastin / 細胞骨格 / マクロファージ / 感染防御 / 細胞接着 / リン酸化 / タンパク複合体 / p65-scaffold |
Research Abstract |
1.p65-scaffold複合体の検出:マクロファージや樹状細胞を菌体成分で刺激し,細胞内p65の変化を,前年度に樹立した抗p65モノクロを用いて免疫組織学的に観察した。P65がactinファイバーと共存し,特徴ある構造体(p65-scaffold)を形成した。この系で,抗grancalcin抗体や抗WASP抗体を用いて検討し,grancalcinやWASPが,p65-scaffoldと共存することが観察された。 2.接着分子integrinとp65-scaffoldとの関連について:integrinの機能欠損(白血球接着異常症)は易感染性であり,p65-scaffoldはintegrinを介した細胞活性化に関与していることから,両者の関連について調べた。菌体で刺激しintegrin媒介性に接着したマクロファージのp65細胞内分布を共焦点レーザー顕微鏡で解析すると,接着面で斑状に集積し,podosome構造と一致して局在すると考えられた。 3.NADPH oxidaseとp65-scaffoldとの関連について:p65/L-plastinノックアウトマウスの食細胞は,細胞接着依存性の活性酸素生成が阻害されるので,NADPH oxidaseとp65-scaffoldとの関連が示唆されるが,詳細は不明である。菌体で刺激され,p65-scaffoldの再構成を起こったマクロファージを可溶化し,細胞骨格分画を分離して,NADPH oxidaseの細胞質要素であるp47^<phox>との結合を定量すると,刺激マクロファージでは有意に結合が増強することが明らかになった。 4.以上の知見は論文発表ないし投稿中で,今後さらに解析を進め,白血球細胞骨格のダイナミクスに基づく感染防御機構について明らかにしたい。
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