2005 Fiscal Year Annual Research Report
細菌性プロテアーゼによるアポトーシスの誘導と病原性発現機序に関する研究
Project/Area Number |
17590395
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
田村 文雄 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (20359962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤池 孝章 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (20231798)
芥 照夫 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (00346975)
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Keywords | 細菌性プロテアーゼ / アポトーシス / α2マクログロブリン / MMP |
Research Abstract |
各種の細菌が産生する細菌性プロテアーゼによる宿主細胞のアポトーシスの誘導において、A群レンサ球菌が産生するstreptococcal pyrogenic exotoxin B(SpeB)やセラチア菌が産生するserratial 56kDa protease,緑膿菌が産生するpseudomonal elastaseがmonocyte系のU937細胞にcaspase-3の活性化を介して、アポトーシスを誘導することを明らかにした。特に、serratial 56kDa proteaseはα2マクログロブリン(α2M)と複合体を形成し、宿主細胞のα2Mレセプターを通じてendocytosisにより細胞内に取り込まれ、細胞内の抗アポトーシス蛋白であるc-IAP1の分解が関与していることを明らかにした。 また、大腸菌による組換えSpeB蛋白、およびBacullo-virusを用いた組換えMMP(matrix metalloproteinase)を作製、SpeBがproMMP-9およびproMMP-2を限定分解することにより活性体にすることを見いだした。この活性化は、cysteine protease inhibitorを加えた場合や、不活性体SpeB(活性中心のCys→Ser)では認められないことを確認している。SpeBにより活性化したMMPは宿主細胞表面のアポトーシス誘導因子であるFas ligand(Fas L)やTNF-αのprosessingを引き起こし、細胞外に放出することを明らかにした。この放出されたFas LやTNF-αは他の細胞のアポトーシスを誘導し、Fas LやTNF-αの中和抗体はこのアポトーシスを抑制することができた。すなわち、細菌性プロテアーゼによるアポトーシス誘導機序として、(1)α2Mを介した細胞内の抗アポトーシス蛋白であるc-IAP1の分解によるもの(2)MMPの活性化を介してFas LやTNF-αのprosessingによるアポトーシスの誘導、の2つのメカニズムが提唱できる。
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Research Products
(11 results)