2005 Fiscal Year Annual Research Report
III型たん白質分泌機構を介したサルモネラのマクロファージ内増殖性に関する研究
Project/Area Number |
17590398
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
岡田 信彦 北里大学, 薬学部, 助教授 (80194364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽田 健 北里大学, 薬学部, 助手 (00348591)
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Keywords | 感染症 / 細菌 / プロテオーム解析 / III型たん白質分泌機構 |
Research Abstract |
サルモネラ(Salmonella)が全身感染を発症するための主要なビルレンス形質は、マクロフラージに対する細胞内増殖能である。本研究は、サルモネラが宿主細胞に侵入し、ファゴソームからサルモネラ小胞を形成するまでの分子機構を明らかにすることを自的とずる。そのために、本年度は、Salmonella pathogenicity island 2(SPI-2)に依存したサルモネラ小胞の成熟に必要なエフェクターについてプロテオミクステクノロジーを駆使して網羅的に向定し、それぞれのサルモネラ小胞成熟過程における機能的役割を明らかにすることを試みた。 サルモネラ野生株およびSPI-2変異株を用いて、アガロース二次元電気泳動法で分離したたん白質を比較し、野生株でのみ分泌されたたん白質を同定することを試みた。しかしながら、野生株においてSPI-2を介した培地中へ分泌されるたん白質量が著しく低いことから、現在、分泌促進のための条件を検討中である。また、SPI-2発現調節遺伝子であるssrAをアラビノースプロモーター下流に挿入し、アラビノースにより発現誘導できる株を作成し、SPI-2エフェクターの発現を強制誘導することにより分泌量の促進を試みたが、期待したほどの発現促進はみられなかった。そのため、分泌たん白質でなく、全菌体たん白質を用いた解析による同定法を考案中である。 一方、SPI-2エフェクター間における相互作用について、5つの重要なエフェクター、SifA、SseF、SseG、SifBおよびSseJについて検討した。たん白質-たん白質相互作用の解析は、大腸菌を用いたtwo-hybridsystem、overlay assayおよびpull-down assayの3つの方法を用いた。overlay assayおよびpull down assayには、各エフェクターをMBP(maltose binding protein)およびFLAG融合たん白質として精製したものを使用した。その結果、SifA-SifB、SiB-SseJおよびSifB-SseG間において相互作用することを明らかにした。さらに、SifBおよびSseJは、ホモダイマー(あるいはホモポリマー)を形成することが示唆された。さらに、これらのエフェクター間の宿主細胞内での相互作用を確認中である。
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Research Products
(1 results)