2007 Fiscal Year Annual Research Report
内因性抗菌ペプチドcathelicidinによる敗血症性ショックの分子病態制御
Project/Area Number |
17590401
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
長岡 功 Juntendo University, 医学部, 教授 (60164399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 泰介 順天堂大学, 医学部, 助教 (40384135)
桑原 京子 (新井 京子) 順天堂大学, 医学部, 助教 (10167976)
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Keywords | 感染症 / 細菌 / 敗血症 / 抗菌ペプチド / HMGB(high mobility group& / エンドトキシン / リボ多糖(LPS) / マクロファージ・単球 |
Research Abstract |
【目的】敗血症は救急救命治療の発達した先進国においても致死的経過をたどる重篤な病態であり、その多くにグラム陰性菌、陽性菌感染が関与している。グラム陰性菌由来のリボ多糖LPSが炎症細胞を刺激すると、HMGB(high mobility group box)-1が細胞外に放出される。そして、HMGB-1は"death mediator"として多臓器不全に深く関わっている。一方、申請者は今までに、自然免疫に関わる抗菌ペプチドcathelicidinが、エンドトキシンショックにおいて防御的に働くことを示している。そこで本研究では、HMGB-1放出に及ぼすcathelicidinの影響をin vitroとin vivoで検討した。 【方法】RAW264.7細胞をcathelicidinであるCAPllの存在下、非存在下でLPS刺激した後、HMGB-1の放出をwestem blot法で定量した。また、エンドトキシンショックモデルを用いて、末梢血.中におけるHMGB-1の動態を評価するとともに、CAPllの効果をin vivoで判定した。 【結果・考察】LPS刺激によりRAW264,7細胞の上清中へのHMGB-1の放出がLPSの濃度依存的に増加した。興味深いことに、CAPllは、RAW264.7細胞へのLPSの結合を阻害し、HMGBIの放出を有意に抑制した。ガラクトサミン負荷エンドトキシンショックモデルマウスでは、投与後5時間において血清中のHMGB-1は上昇傾向にあったが、CAPllはこれに対して抑制効果を示した。以上の結果から、CAPIlがLPSのCDI4陽性細胞への結合を抑制し、HMGBIなどのメディエーターの産生を抑えることが、CAPllのエンドトキシンショックに対する作用機序の一つとして考えられた
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