2005 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルス株間での感染性キメラウイルスの作製と解析
Project/Area Number |
17590426
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
伊達 朋子 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (40392360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇田 隆字 (財)東京都医学研究機構, 副参事研究員 (40280789)
宮本 道子 (財)東京都医学研究機構, 研究員 (40190821)
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Keywords | HCV / ウイルス / ウイルスゲノム複製 / 肝臓癌 / 慢性肝炎 / インターフェロン |
Research Abstract |
C型肝炎ウイルス(HCV)のJFH-1株を用いることにより、これまで不可能であった、培養細胞で安定し、再現性のある増殖が可能なウイルス感染・複製系の構築が可能になった。本研究では、HCVのキメラウイルスを作製し、JFH-1株以外のウイルス株の構造蛋白質をもつウイルス粒子を回収し、キメラウイルスの複製と感染様式、共通の抗原性、中和活性などを解析して、新たな抗ウイルス戦略の構築に供することが目的である。遺伝子型1a、1b、2a、2bのウイルス株の構造領域遺伝子をクローニングし、JFH-1株の非構造領域遺伝子(NS2-NS5B)とJFH-1株以外のHCV株の構造領域遺伝子をキメラを作製した。試験管内で合成した全長のウイルスRNAをエレクトロポレーション法で培養細胞中に導入した。ウイルスRNA導入後、経時的に細胞および培養上清を回収しウイルス蛋白質とウイルスRNAを定量した。さらに、細胞中でのウイルスの複製はRNAを抽出して、ウイルスゲノムRNAをノーザンブロットおよび定量的RT-PCR法で解析した。また、ウイルスのタンパク質発現をウエスタンブロット法、免疫染色法で検出した。以上の検討によりキメラウイルスのトランスフェクション細胞内でのRNA複製はJFH-1の野生株と同等だが、ウイルス粒子の分泌に差があることが判明した。ウイルス粒子の分泌にはNS2領域遺伝子が重要であると考えられた。分泌されたウイルス粒子はHuh7細胞に感染性があることを確認した。今後は、キメラウイルスの効率よい分泌に重要な因子の解明や、キメラウイルスの中和活性の交差性などを検討していく。
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Research Products
(12 results)