2006 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルス株間での感染性キメラウイルスの作製と解析
Project/Area Number |
17590426
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
伊達 朋子 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 研究員 (40392360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇田 隆字 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 部長 (40280789)
村山 麻子 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 協力研究員 (40415534)
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Keywords | HCV / ウイルス / ウイルスゲノム複製 / 肝臓癌 / 慢性肝炎 / インターフェロン |
Research Abstract |
C型肝炎ウイルス(HCV)のJFH-1株を用いることにより、これまで不可能であった、培養細胞で安定し、再現性のある増殖が可能なウイルス感染・複製系の構築が可能になった。本研究では、HCVのキメラウイルスを作製し、JFH-1株以外のウイルス株の構造蛋白質をもつウイルス粒子を回収し、キメラウイルスの複製と感染様式、共通の抗原性、中和活性などを解析して、新たな抗ウイルス戦略の構築に供することが目的である。遺伝子型1a、1b、2a、2bのウイルス株の構造領域遺伝子をクローニングし、JFH-1株の非構造領域遺伝子(NS2-NS5B)とJFH-1株以外のHCV株の構造領域遺伝子を用いてキメラを作製した。キメラウイルスのトランスフェクション細胞内でのRNA複製はJFH-1の野生株と同等だが、同じ遺伝子型でもウイルス株によりウイルス粒子の分泌に差があることが判明した。さらにキメラウイルスの感染細胞の培養を継続するとウイルス粒子の分泌効率が向上する事が明らかとなった。これはウイルスの適合変異によると考えられたため、ウイルスゲノムの塩基配列を解析したが、ダイレクトシークエンス法では変異を同定できなかったため、現在クローニングによる解析を行っている。また、キメラウイルスの感染性は野生型JFH-1ウイルスと同じ特異性(CD81,SRB1への依存性)をみとめた。さらに、JFH-1株に対する抗体で共通の中和活性を検出できた。共通の中和エピトープの存在が予想される。また、JFH-1ウイルスおよびJ6/JFH1キメラウイルスを継代培養したところ、E2に共通の変異を検出した。この変異部位の意義を現在解析中である。
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