2006 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ球ホーミングを支配する高内皮細静脈特異的な接着機構と感染刺激による制御
Project/Area Number |
17590432
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 稔之 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (30217054)
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Keywords | リンパ球ホーミング / リンパ節 / 高内皮細静脈 / 細胞接着分子 / ケモカイン / ローリング / nepmucin / L-セレクチン |
Research Abstract |
【目的】高内皮細静脈(high endothelial venule: HEV)はリンパ球との特異的な接着反応を通じて、血液系からリンパ節へのリンパ球の移住(リンパ球ホーミング)を媒介する。本年度は、免疫細胞をリンパ節へ動員するHEVに特異的な細胞接着機構について解析を進め、以下の成果を得た。【結果と考察】1.新しいアロムンnepmucinのHEVを介するリンパ球ホーミング制御における意義:nepmucinのムチンドメインにHEV特異的なL-セレクチン結合性糖鎖修飾を施し、生理的なフロー条件下でのリンパ球動態を解析した。その結果、nepmucinはムチンドメイン依存的にリンパ球ローリングを制御するばかりでなく、Igドメイン依存的にICAM-1と協調してケモカイン刺激依存的なずり応力抵抗性のリンパ球接着を促進した。この結果は、nepmucinがリンパ球のローリングと接着の両者を制御するdual-functionalな細胞接着分子として機能することを示唆している。またnepmucin欠損マウスを樹立した。2.HEVを介する免疫細胞サブセット動員制御の感染免疫成立における意義:感染制御に重要な役割をはたすplasmacytoid dendritic cell(pDC)は他の樹状細胞とは異なりHEVを経由して血行性にリンパ節へ移住する.HEVを介するpDCのリンパ節への動員機構を明らかにするために、pDCとHEV内皮細胞を精製しin vitroでその相互作用を解析した。その結果、pDCはHEV内皮細胞にLFA-IおよびVLA-4依存的に接着してその下層に活発にtransmigrationするが、非HEV血管内皮細胞ではこのようなtransmigrationは観察されなかった。この結果から、HEVに特異的なpDCの遊走制御機構の存在が示唆された。また遺伝子欠損マウスを用いた解析から、pDCの構成的なリンパ節への動員にCCR7を介するシグナルが重要な役割をになうことが示唆された。
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Research Products
(6 results)