2005 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ球の皮膚への移住の分子基盤と移住能獲得のメカニズム
Project/Area Number |
17590433
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平田 多佳子 大阪大学, 微生物病研究所, 特任助教授 (00346199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮坂 昌之 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50064613)
重田 暁子 大阪大学, 微生物病研究所, 特任研究員 (50420435)
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Keywords | T細胞 / 接着分子 / セレクチン / シアロムチン / CD43 / PSGL-1 / 皮膚 / 白血球ローリング |
Research Abstract |
体外から侵入しようとする感染性病原体に対して最初のバリアーとして機能するのが、体の外面を覆う「皮膚」である。皮膚には定常時にもメモリーT細胞が存在するが、感染時にはエフェクターT細胞が速やかに動員され感染防御において中心的役割を担う。また、皮膚に浸潤するT細胞はアレルギー性接触性皮膚炎、乾癬、アトピー性皮膚炎などの炎症性皮膚疾患の病因・病態に関与することが示されている。私たちはこれまでに、エフェクター/メモリーT細胞の炎症皮膚への動員は皮膚血管内皮に発現するP-セレクチンとE-セレクチンにより媒介されること、またT細胞上のPSGL-1がP-セレクチンの唯一のリガンドとして機能するだけでなくE-セレクチンのリガンドの一つとしても機能することを明らかにしてきた。しかし、皮膚へのT細胞動員におけるPSGL-1以外のE-セレクチンリガンドの実体については理解がすすんでいない。本研究では、マウスTh1細胞表面をビオチン標識後可溶化し、E-セレクチン-IgGキメラタンパク質を用いてアフィニティー精製を行い、新規E-セレクチンリガンドと考えられる約130kDの分子を見いだした。糖類切断酵素を用いた実験から、この130kD分子がシアル酸を有していること、シアル酸が130kD分子とE-セレクチンとの結合に必要であることを見いだした。また130kD分子はO-シアロ糖タンパク質分解酵素により切断されることから、セレクチンリガンドとして機能する可能性が極めて高いことを予想し、生化学的解析からこの分子がシアロムチンCD43であることを明らかにした。また、ヒト活性化T細胞に発現するCD43もマウスTh1細胞上のCD43と同様にE-セレクチンと結合することを示した。さらに、特定の糖鎖修飾を受けたCD43が生理的なフロー条件下でE-セレクチン依存的なローリングを媒介することを明らかにした(J. Immunol.,2005)。
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[Journal Article] CCR7 is critically important for migration of dendritic cells in intestinal lamina propria to mesenteric lymph nodes2006
Author(s)
Jang MH, Sougawa N, TanaKa T, Hirata T, Hiroi T, Tohya K, Guo Z, Umemoto E, Ebisuno Y, Yang B, Seoh J, Lipp M, Kiyono H, Miyasaka M.
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Journal Title
Journal of Immunology 176
Pages: 803-810
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