2006 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ球の皮膚への移住の分子基盤と移住能獲得のメカニズム
Project/Area Number |
17590433
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平田 多佳子 大阪大学, 微生物病研究所, 特任助教授 (00346199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮坂 昌之 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50064613)
重田 暁子 大阪大学, 微生物病研究所, 特任研究員 (50420435)
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Keywords | T細胞 / 接着分子 / セレクチン / シアロムチン / CD43 / PSGL-1 / 皮膚 / 白血球ローリング |
Research Abstract |
体外から侵入しようとする感染性病原体に対して最初のバリアーとして機能するのが、体の外面を覆う「皮膚」である。皮膚には定常時にもメモリーT細胞が存在するが、感染時にはエフェクターT細胞が速やかに動員され感染防御において中心的役割を担う。また、皮膚に浸潤するT細胞はアレルギー性接触性皮膚炎、乾癖、アトピー性皮膚炎などの炎症性皮膚疾患の病因・病態に関与することが示されている。私たちはこれまでに、エフェクター/メモリーT細胞の炎症皮膚への動員は皮膚血管内皮に発現するP-セレクチンとE-セレクチンにより媒介されること、またT細胞上のPSGL-1がP-セレクチンの唯一のリガンドとして機能するだけでなくE-セレクチンのリガンドの一つとしても機能することを明らかにしてきた。さらに昨年度、本研究課題において、マウスTh卜細胞に発現するCD43がE-セレクチンと結合することを見いだした。そこで、CD43が生体内でE-セレクチンリガンドとして機能するか、またPSGL-1とCD43がどのように機能分担するか明らかにするため、両分子を欠損するマウスを作製した。PSGL-1またはCD43を欠損するマウスからin vitro で作製したTh1細胞ではE-セレクチン結合活性が低下したが、PSGL-1とCD43の両者を欠損するマウスのTh1細胞では結合活性がさらに低下した。また、接触性過敏症モデルにおけるTh1細胞の炎症皮膚への集積は、両分子を欠損する場合に最も低下した。同様に、生体内で感作されたリンパ球のE-セレクチン結合活性および炎症皮膚への集積も、PSGL-1およびCD43の両者を欠損する場合に最も低下した。以上から、CD43がPSGL-1と共にE-セレクチンリガンドとして機能し、T細胞の炎症皮膚への移住を媒介することが示された(J.Immunol.,2007)。
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[Journal Article] Nepmucin, a novel HEV sialomucin, mediates L-selectin-dependent lymphocyte rolling and promotes lymphocyte adhesion under flow2006
Author(s)
Umemoto E, Tanaka T, Kanda H, Jin S, Tohya K, Otani K, Matsutani T, Matsumoto M, Ebisuno Y, Jang MH, Fukuda M, Hirata T, Miyasaka M
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Journal Title
Journal of Experimental Medicine 203
Pages: 1603-1614