2005 Fiscal Year Annual Research Report
細胞骨格を制御するシグナル伝達分子の細胞内分子機構の解明とその機能解析
Project/Area Number |
17590437
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田中 芳彦 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (00398083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 宣規 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (60243961)
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Keywords | DOCK2 / SLAT / Vav / 細胞骨格 / サイトカイン |
Research Abstract |
本研究では、CDMファミリー分子DOCK2、GEFとしての機能をもつSLATならびにVavに焦点をあて、各種受容体刺激から細胞骨格再構築に至るシグナル伝達を解明し、免疫系の発生、分化、構築や機能発現における各シグナル伝達系の役割を明らかにすると共に、その理解に立脚して、細胞骨格の再構築という視点から分子レベルでその機序を明らかにすることを目的とする。本年度は、GEF活性を有するVavが欠損すると、転写因子c-Mafの発現が障害されてTh2特異的サイトカインの中でもIL-4産生が選択的に抑制され、その結果としてTh1型の免疫応答が亢進することを見いだした。また、DOCK2欠損マウスではVα14 NKT細胞が著しく減少しており、コンカバリンA誘導性肝炎に抵抗性であることを示し、その機序についてDOCK2が胸腺でのVα14 NKT細胞分化における正の選択に必要であることを見いだした。さらに、DOCK2欠損により本来抵抗性のある種のマウスがLeishmania major感受性になること、およびある種のDOCK2欠損マウスが重篤なアレルギー反応を引き起こすことを明らかにし、Th2型サイトカインがこの現象を引き起こす重要な因子であることを見いだした。現在、サイトカインをはじめとした各種受容体からのシグナル伝達を中心に、細胞骨格の再構築という視点からそのアレルギー反応を引き起こすメカニズムの解明を検討している。
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