2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17590442
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
松下 操 東海大学, 工学部, 教授 (00165812)
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Keywords | ヤツメウナギ / 補体系 / 古典的経路 / レクチン経路 / C1q / MASP / 進化 / エボヤ |
Research Abstract |
補体系の古典的経路は抗原抗体複合体にC1が結合することにより活性化が開始する。一方、レクチン経路は免疫グロブリンを必要とせず、レクチンが病原体上の糖鎖に結合後活性化が起きる。レクチン経路は原索動物以上に、一方古典的経路は軟骨魚類以上に存在する。脊椎動物最下等の円口類ヤツメウナギ血清には哺乳類C1の亜成分のC1qに構造類似のレクチン(LC1q)がある。この事実は、レクチン経路が古典的経路へと進化したことを強く示唆している。本研究古典的経路の起源の解明を目指すことを目的とした。本年度は以下の研究成果を得た。 分類学上ヤツメウナギより下等で、無脊椎動物の尾索動物亜門(原索動物)に属するエボヤ(Styela Clava)の体液よりN-アセチルグルコサミン(GlcNAc)カラムを用いて探索を行い、LC1qと同様にGlcNAcに結合性を示すレクチンを単離した。本レクチンの部分アミノ酸配列を決定した。合成基質を用いてアッセイしたところ、本レクチン画分にはセリンプロテアーゼ活性があり、ゲル濾過で分画するとセリンプロテアーゼ活性はレクチンと一致して溶出した。レクチン成分はコラゲナーゼ処理により分解されたことから、本レクチンはコラーゲン様構造を持つことが推定される。また、この分解により生じたフラグメントの分子量は、哺乳類C1qやLC1q分子が持つgC1qドメインとほぼ一致した。以上のことから、エボヤ体液にはC1qが存在し、これがセリンプロテアーゼのMASPと複合体を形成していることが示唆される。従って、古典的経路の起源は円口類よりも更に古い可能性が考えられる。
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Research Products
(6 results)