2005 Fiscal Year Annual Research Report
自然免疫系の活性化で誘導されるTh1型気管支喘息の病態と治療法に関する研究
Project/Area Number |
17590444
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
林 伸樹 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (90368514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
善本 知広 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (60241171)
筒井 ひろ子 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40236914)
中西 憲司 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60172350)
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Keywords | 気管支喘息 / IL-18 / Th1 |
Research Abstract |
申請時の実験計画通りに平成17年度は、Th1メモリーマウスにOVAとIL-18を経鼻投与することで誘導されるTh1型気管支喘息の発症メカニズムの解明中心に研究を進めた。 1.実験システムの改善 抗原特異的Th1細胞を正常マウスに移入する実験系のかわりに正常マウスを抗原とフロイント完全アジュバントで免疫することでin vivoでメモリーTh1細胞を有する様なマウスを作製後、抗原とIL-18の経鼻投与により細胞移入群と同様のTh1型気管支喘息を誘導することに成功した。 2.Th1型気管支喘息発症メカニズムの解明 細胞移入、生体内免疫の両システムにおけるTh1型気管支喘息のエフェクターメカニズムを解析し、急性期の気道抵抗上昇にはIFN-γと好中球が、慢性期の肺の線維化にはIL-13が主に関与していることを明らかにした。 これらの事実は各サイトカインの中和抗体を用いた実験ならびにIFN-γノックアウトマウスあるいはIL-13のシグナル伝達に必須のIL-4Rαノックアウトマウスを用いた実験によって証明された。 3.治療法の確立 IFN-γに対する抗体は急性期の気道抵抗の上昇、IL-13の中和は肺の線維化のみを抑制する。 病態に大きく関与しているIFN-γとIL-13は抗原とIL-18で刺激されたTh1細胞から産生される。 そのため生体内または気道局所でIL-18を中和するとTh1型気管支喘息の急性期、慢性期の両炎症症状を抑制することができると予想される。現在、研究に用いているシステムはIL-18を外部から投与しているため、内因性IL-18の中和抗体を使用する実験が困難である。そのため、抗原とともに内因性IL-18産生誘導を目的にLPS等の病原体成分を経鼻投与し肺胞上皮やマクロファージからのIL-18産生させ同様のTh1型気管支喘息を誘導するシステムを構築中である。このシステムを確立した後、IL-18中和による治療効果を検討する。
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