2006 Fiscal Year Annual Research Report
自然免疫系の活性化で誘導されるTh1型気管支喘息の病態と治療法に関する研究
Project/Area Number |
17590444
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
林 伸樹 兵庫医科大学, 医学部, 非常勤講師 (90368514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
善本 知広 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (60241171)
筒井 ひろ子 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40236914)
中西 憲司 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60172350)
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Keywords | 気管支喘息 / IL-18 / Th1 / LPS |
Research Abstract |
申請した実験計画通りに平成18年度は「内因性IL-18によるTh1喘息の誘導とその解析」を行った。 1.新しい動物実験モデルの作成 上気道感染を契機に気管支喘息が誘発されることがよく知られている。 昨年までに解析を行ってきた抗原とIL-18で誘発されるTh1型喘息を発展させ、病原体成分によって内因性のIL-18を誘導することで同様のTh1型喘息の誘発を試みた。 内因性のIL-18を誘導するための病原体成分としては気道上皮細胞からその刺激によりIL-18を産生することを確認できたLPSを用いた。従来の申請者らの動物実験モデルと同様にOVAとCFAで免疫したメモリーTh1マウスにLPS単独またはLPSとOVAを経鼻投与したところ、LPSとOVAの両者を点鼻したマウスのみ気道抵抗の上昇がみられた。抗原単独やLPS単独では喘息は誘発されず、両者が喘息誘発には必要なことから、この動物実験モデルは上気道感染症によって誘発されるヒトの気管支喘息の動物モデルとなり得ると考えられた。 2.作成した喘息モデルの解析 LPSとOVAで誘発された喘息マウスのBALF中の細胞を解析すると、申請者らが今までに解析してきたTh1型喘息モデルと同様に好中球を中心とした細胞浸潤がみられた。 LPSによって気道内にIL-18の産生がおこったことによって喘息発症したとする仮説の確認のため、抗IL-18中和抗体で喘息が抑制できるか否かを検討した。その結果、LPSとOVAによる気管支喘息は抗マウスIL-18中和抗体投与によって完全に抑制された。このことから、LPSによって誘導されるIL-18が本喘息モデルで最も重要なサイトカインであると考えられた。 上気道感染により誘発される気管支喘息の中には抗IL-18抗体による治療が有用であると考えられた。
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