2005 Fiscal Year Annual Research Report
抑制性レセプターによる細胞接着制御が免疫応答制御に果たす役割
Project/Area Number |
17590445
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Research Institution | Research Institute, International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
反町 典子 国立国際医療センター(研究所), 室長 (30217468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
槇 安希子 国立国際医療センター(研究所), 研究員 (60392388)
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Keywords | 抑制性レセプター / 細胞接着 / インテグリン / focal adhesion kinase / パキシリン |
Research Abstract |
抑制性レセプターは、細胞内領域にITIMと呼ばれる抑制性モチーフを有し、ITIM内のチロシンリン酸化に依存してSHP-1やSHP-2といったフォスファターゼを会合することにより、免疫応答の終焉、免疫学的恒常性の維持などに重要な役割を果たす。Ly49Qは、NK細胞の自己認識に必須であるNKレセプターファミリーに属するが、NK細胞ではなく、樹状細胞やマクロファージといった抗原提示細胞に発現するユニークな分子である。私たちはこれまでに、Ly49Qが細胞接着や細胞骨格の制御に関わることを報告してきた。本研究では、自己認識に関わるレセプターLy49Qによる細胞接着制御が免疫応答制御に果たす役割を明らかにすることを目的として、野生型Ly49Q(Ly49Q WT)およびそのITIM欠損型(恒常的不活性型)分子(Ly49Q YF)を発現するトランスフェクタントを用いた解析と、トランスジェニックマウスを用いた解析を進め、以下の成果を得た。 (1)Ly49Qによる細胞接着抑制とfocal adhesion kinase(FAK)の活性制御;Ly49Qを発現しない骨髄球系細胞株WEHI3に、Ly49Q WTおよびLy49Q YFを発現させた結果、Ly49Q WT発現細胞で、細胞接着および伸展の抑制が認められ、Ly49QがFAKのリン酸化制御を介してパキシリンの細胞接着斑への集積を阻害することを見出した。 (2)Ly49Qによるインテグリンの制御;Ly49Qはインテグリンと共局在し、インテグリンに依存した細胞機能を制御していることを見出した。 (3)免疫応答解析のためのトランスジェニックマウスの樹立;Ly49Qによる免疫応答制御を解析するための準備として、トランスジェニックマウスを樹立した。
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Research Products
(4 results)