2005 Fiscal Year Annual Research Report
医療リスク教育を目的とした医用HAZOP法の開発-基本外科手技の分析演習を通じて
Project/Area Number |
17590449
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大川 淳 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教授 (30251507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺本 研一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80197813)
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Keywords | 医療安全 / 医学教育 / リスクマネージメント / リスク分析 / HAZOP |
Research Abstract |
1.医療HAZOPの試行 (1)平成16年度研修医への試行結果の解析 平成16年度に開始された新臨床研修制度において、大学で基本診療科の研修を行った38名の研修医を対象として、外科手技に関するHAZOP演習を行った。事後アンケートを分析し、演習参加により安全意識向上に影響することが判明し、結果を日本医学教育学会において発表した。平成17年度研修医に関しても同様のHAZOP演習を継続した。 (2)専門医レベルへの試行 専門医に対して脊椎外科内視鏡手技に関するHAZOP演習を行い、研修医と同じ事後アンケートを行った。その結果、HAZOP演習の手法に関して専門医において評価が高いことが判明した。結果を日本脊椎脊髄病学会で報告した。 (3)コメディカルへの試行 病院における医療安全上の課題である転倒転落事故に関して、看護師長を対象にHAZOP演習を試行した。さらに、ほかのリスク分析手法につなげて院内における対策を計画できたことから、HAZOP演習が外科手技だけでなく医療業務全般に応用可能であることが判明した。さらに、複数の職種が参加するリスク分析において有用であることがほかの試行例でも判明しつつある。 2.医療HAZOPの方法論に関する検討 (1)対象となる医療従事者レベルと題材の要件 連続した演習形式を採用する分析手法のため、対象参加者にはある程度の経験が必要であり、また実際の医療事故を題材とすることが参加者のモチベーションを高めることが判明した。 (2)論文あるいは書籍出版への検討 基本的な項目立て、内容に関して計画を開始した。
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