2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17590450
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
大澤 功 愛知学院大学, 心身科学部, 教授 (10223786)
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Keywords | 糖尿病 / 遺伝子診断 / モデル化 / 決断分析 |
Research Abstract |
本研究の目的は,検診として糖尿病遺伝子診断検査を実施するかしないかという選択分岐点を持つ判断樹を作成し,シミュレーションモデルを用いた決断分析による費用効果分析(費用効用分析)を行い,2型糖尿病において遺伝子診断を実施することの利益と損失を推定することである.今年度は,以下のようにシミュレーションの基本となる糖尿病モデルの作成と遺伝子診断に関する資料収集を行った. 1.糖尿病モデルの作成 研究代表者は以前の研究の際に,MS-DOS上で動く臨床決断分析用ソフト「Decision Maker」で糖尿病モデルを作成した(旧モデル).今回はこの旧モデルを利用して,Windows XP上で動く臨床決断分析用ソフト「Tree Age Pro」で新たにモデルを作成した(新モデル).入力した数値については,旧モデルは平成10年までのデータを利用したものであったので,その後の臨床研究(疫学研究)を検索収集して変更を加えた. 2.関連研究の検索と収集 (1)2型糖尿病の発症および進展に関連する遺伝子,(2)乳がんや肺癌等,すでに実施されている遺伝子診断による健康改善効果,(3)遺伝子診断に関する臨床決断分析および医療経済的評価の3点について,参考図書,データベース(MEDLINE,医学中央雑誌等)等を検索し資料を収集した.その結果,遺伝子診断に関する分子生物学的な研究は多いが,健康改善効果を実証した研究や経済的影響まで言及した研究はほとんど発表されていなかった.つまり,理論が先行しており実際の成果が曖昧なままに糖尿病遺伝子診断が進められようとしており,診断のコストに見合った効果が得れるかどうかは現段階では不明であることが確認された.
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