2006 Fiscal Year Annual Research Report
病理解剖症例によるPBL-チュートリアル教育の実践と形態学ライブラリー構築の試み
Project/Area Number |
17590451
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小谷 泰一 京都大学, 医学研究科, 助手 (20330582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真鍋 俊明 京都大学, 医学研究科, 教授 (10113200)
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Keywords | 医学教育 / 病理解剖症例 / PBL / チュートリアル / 形態学ライブラリー / 症例基盤型学習 |
Research Abstract |
本研究の目的は、全人的医療を実践できる医師を育成するために、PBL一チュートリアル教育の教材として病理解剖症例を有効利用できる方法を開発し、学生が基礎医学から臨床医学までを一貫して学習できる医学教育の一方法を確立することである。 今年度も病理解剖症例を用いた症例基盤型学習を、医学部3年生の病理学各論実習で実践し、昨年度と同様学生から高い評価を得た。皮膚筋炎(膠原病系)症例と悪性リンパ腫(造血器系)症例を選択し、臨床経過・検査データ、放射線画像、病理解剖肉眼写真、肉眼実物臓器、組織標本からなる教材を各20部作製した。これにより昨年度までの症例と併せて同様の教材が、呼吸器系2例、消化器系2例、循環器系1例、内分泌系1例、膠原病系1例、造血器系1例の計8症例整備された。 また、今年度は日本病理学会が、学生が学ぶべき代表疾患として推薦している約150疾患の中から、教材として耐えうる質の高い組織標本を110疾患選定した。さらに、これらの標本を教材として学生がいつでもどこからでも利用できる環境を整えるために、教材をWeb配信可能とするサーバーやソフトを準備するとともに、京都大学情報メディアセンター及び医学研究科の協力を得て、インターネットに接続可能なデスクトップパソコンを110台、解剖センター2階の組織実習室に設置した。これにより、学生は実習室ではWeb上の教材を参考にしながら顕微鏡観察できるようになり、また、自宅や図書館でも同じ教材を閲覧できるようになった。今後は、実際に手で触れることが出来る肉眼臓器標本の作製を継続するとともに、上記Web環境を利用して、肉眼臓器標本、組織標本、臨床情報などをデジタル化した教材を提供することで、PBL-チュートリアル教育における自学自習の効率や教育効果の向上を目指す。
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Research Products
(2 results)