2008 Fiscal Year Annual Research Report
医療史から見た戦後期の予防接種法と結核予防法の研究
Project/Area Number |
17590459
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
渡部 幹夫 Juntendo University, 医療看護学部, 教授 (00138281)
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Keywords | 結核 / 予防接種 / HIV / AIDS / アジア太平洋地域 / 南アフリカ / WHO / 感染症 / 危機管理 |
Research Abstract |
2007年クアラランプールにて開催された、International Union Against Tuberculosis & Lung Disease 1^<st> Asia Pacific Region(IUATLD-APR)Conferenceに参加した。そこで得た知見を元に、アジア太平洋地域の結核問題と日本のとってきた結核対策(結核予防法とBCG接種を含む予防接種法による)と結核の高度蔓延国である発展途上国の現在の対策について歴史的に評価することを試みた。この会議にはアジア太平洋地域を越えた参加国があり、結核及びHIV/AIDSの高度蔓延国である南アフリカからの報告もあった。今年度はWHOのWEBにて公開されている感染症統計及び日本で公刊されている結核統計総覧も使用して結核対策・結核医療の史的考察により総説を書き、学会発表を行った。(1)WHOの結核データベースの問題(2)現在のアジア諸国の結核医療の有効性の問題(3)南アフリカのHIV/AIDSと結核の問題(4)国際問題としての結核の4点について、本研究課題である日本の医療史と関係付けて研究の成果を上げることができた。 2009年2月英国に渡航してロンドンの王立外科協会ハンター博物館ウエルカム博物館、ウエルカム図書館、バークレイのエドワード・ジェンナー博物館において種痘に始まる予防接種史及び結核史にかかわる調査を行なった。近代外科史と免疫学史の接点がよくわかる展示が行なわれており、医療と法哲学、倫理學が大きな医学的課題であることをそれぞれの施設にて再確認させられた。今回の調査にて得られた資料を活用して、日本の戦後医療史の研究を発展させ、これからの医療の方向性を考える研究を進めたい。
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Research Products
(5 results)