2007 Fiscal Year Annual Research Report
わが国の病院医療における診療領域別質評価指標の開発と臨床倫理の確立に関する研究
Project/Area Number |
17590460
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
寺崎 仁 Nihon University, 医学部, 講師 (90227512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大道 久 日本大学, 医学部, 教授 (60158805)
梅里 良正 日本大学, 医学部, 准教授 (60213485)
前田 幸宏 日本大学, 医学部, 助手 (10287641)
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Keywords | 臨床指標 / 臨床倫理 / 組織倫理 / 病院機能評価 / 療養病床 / リハビリテーション |
Research Abstract |
平成19年度においては、昨年度に引き続き研究代表者の寺崎をはじめ研究分担者の3名が、いずれも深く関わっている財団法人日本医療機能評価機構が行う病院機能評価事業との連携を深めながら研究活動を進めた。診療領域別の評価指標については、平成21年度に予定されている同事業の書面審査書類の改定に向けて、一部の診療科においては何らかの臨床指標の導入を予定しており、具体的な指標設定に向けて検討作業を進めている。一方、主として慢性期の医療を提供している病院を評価するためのツールとして用いられている「療養病床版固有評価項目(第8領域)」については、統合版評価項目(第1領域〜第6領域)の見直しと同時進行的に評価項目の見直しが進められており、平成18年度に行なわれた医療区分・ADL区分に基づく診療報酬の導入を踏まえながら書面審査項目の修正も行なうなど、実務面での作業に研究者の立場から協力して研究実績を積み重ねつつある。また、付加機能評価として行なわれているリハビリテーション機能評価に関しては研究代表者の寺崎が主導的に関わっており、書面審査項目の見直しを重点的に進めた結果、質評価指標としてFIMなどによるADLの改善度等を測定することが検討された。しかし、特許権などの問題もあり、FIMを制度的な仕組みとして組み込むことは難しいとの指摘もあり、今後さらに検討を進めることにしている。なお、臨床倫理面に関する研究は、昨年度の研究において医療における倫理的側面が多方面からアプローチされており、その結果、医の倫理、臨床倫理、生命倫理、職業倫理、組織倫理など様々な用語が使われていることから、今一度、医療における倫理的問題の整理に取り組みながら、臨床指標の導入に伴う倫理的課題の明確化を再度試みる予定であり、具体的な対応策に関してもその検討過程においてイメージされてくるのではないかと期待している。
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