2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17590464
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
堺 孝明 福岡歯科大学, 歯学部, 助教授 (90389411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朔 啓二郎 福岡大学, 医学部・循環器, 教授 (40183371)
信友 浩一 九州大学, 大学院・医療システム学教室, 教授 (90037424)
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Keywords | Disease Management / 保健医療支出 / A System of Health Accounts / Ordered Probitモデル / 潜在変数 / 予防行動 / モラル・ハザード / 疾患管理 |
Research Abstract |
ここで提唱する疾患マネジメント(Disease Management : DM)という概念は、特定の疾患に対して患者教育、モニタリングを強化し、疾患の重症度を抑える総合的疾患管理方式である。先行投資することで、その疾患にかかる医療費を抑制し、さらに生活の質を向上させうると考える。我々は、初年度SHAに準拠した保健医療支出より、機能別、供給主体別、財源別分類の3次元分類を柱とし、これらのマトリックスでの推計を行なった。SHAに準拠した保健医療支出を推計し、継続的に行い、今年度のOrdered Probitモデル情報源として整理した。 I.科学的エビデンスを基に、行動リスクファクターの軽減を検証する。 Ordered Probitモデル(推定モデル)により、行動変化・健康状態・機能変化・生活の質・サービスの使用・顧客満足度・治療費コストを数値化し、被保険者への効果判定を行い、疾患マネジメントへの先行投資経済効果を評価。 予防行動は、食習慣や休養・睡眠、飲酒や喫煙、健康検診や運動習慣などが考えられており、生活習慣の選択とも呼ばれている。これらの行動が消費者の嗜好によって決定されるのか、それとも合理的な意思決定によって決定されるのかは、医療経済学における重要な分析テーマである。モラル・ハザードにより予防行動の低下を招かぬよう留意した。 (1)Ordered Probitモデルの基本的構造を示す。 Ordered Probitモデルは、検定すべき被説明変数が、その順位について有益な情報を含むいくつかの選択肢から構成される場合に、有効な分析方法となる検定方法である。観察されない潜在変数(健康のための努力)e*、説明変数をχiとすると、潜在変数は以下のようになる。 e*=a1+Σaiχi+ε (2)予防行動をe、医療保険制度の自己負担をα、私的保険の有無を示す変数をD、その他の説明変数をχとすると、基本推定式は以下のとおりである。 e=a10+a11α+a12D+Σa1iχi+ε これらにより、モラル・ハザードがなく、予防が有効で、先行投資に値する予防疾患および医学項目を選択した。さらに、その特定の疾患に対して患者教育、モニタリングを強化し、疾患の重症度を抑え総合的に疾患管理した。そして、対象疾患への先行投資により、その疾患に要する医療費は抑制され、さらに生活の質を向上させうると評価した。
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