2006 Fiscal Year Annual Research Report
癌関連抗原CD98を分子標的とした新規癌治療薬の開発と臨床応用
Project/Area Number |
17590467
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
伊藤 邦彦 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (90221770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 敏夫 秋田大学, 医学部, 教授 (20108559)
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Keywords | CD98 / モノクローナル抗体 / ファージディスプレイ / エピトープペプチド / 分子標的治療 |
Research Abstract |
本年度は、HBJ127のエピトープ解析の結果に基づき合成したオリゴペプチドとキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)の複合体で免疫したマウスより得られた抗血清の性状解析を行なった。免疫に用いたペプチドは、1)LLHGDFHAFSAG、2)LLHGDFH、3)FHAFSAG、および4)AHNQVRQVPLQRである。1)は予想されるエピトープ(AFS)を含む配列であり、2)は1)のN末端側7残基、3)は1)のC末端側7残基である。また、4)は、1)と鎖長は同一であるがCD98非関連タンパク質の部分配列である。これらのペプチドのC末端側に導入したGGGCリンカーのシステイン残基とマレイミド活性化KLHを反応させペプチド-KLHを合成した。ペプチド-KLHでBALB/cマウスを2週間間隔で3回免疫した。最終免疫の3日後に頸静脈切断により採血し、同時に脾臓も採取した。得られた抗血清は、免疫原であるエピトープペプチド-KLHに対して高い反応性を示した。また、キャリアタンパク質をBSAに変えたエピトープペプチド-BSAに対しても反応性を示したことから、キャリアタンパク質のみならずハプテンであるエピトープペプチドに対する免疫応答も起こっていることが明らかとなった。抗血清のエピトープペプチド間での交差反応性について検討した結果、部分構造として共通する配列を有するペプチドに対しては反応性を示した一方で、共通配列を有さないペプチドには反応性を示さず、免疫したエピトープペプチドの配列特異的に反応することが明らかになった。さらに抗血清がリコンビナントCD98H鎖と用量依存的に反応することも確認した。以上の結果は、エピトープペプチドの免疫により抗血清中にCD98反応性の抗体群が誘導されたことを示すものであり、エピトープペプチドによる抗腫瘍抗体群誘導の可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)