2005 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化症発症におけるUrotensinIIの関与と治療法開発の基礎研究
Project/Area Number |
17590468
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
石幡 明 山形大学, 医学部, 助手 (40232326)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片野 由美 山形大学, 医学部, 教授 (70018696)
大和田 一雄 山形大学, 産業総合技術研究所, 主任研究員 (60101010)
|
Keywords | 病態生理学 / 高脂血症 / 血管 / 動脈硬化 / ウロテンシン / NO / 脈圧 / TGH |
Research Abstract |
Watanabe heritable hyperlipidemic(WHHL)rabbitsを中性脂肪値にしたがって選抜交配することにより、中性脂肪が高値の群(high-triglyceride rabbit : TGH)と低値の群(low-triglyceride rabbit : TGL)の2系統伝疾患モデルを樹立した。今回,TGHの動脈硬化病変の分布と循環動態について検討した。 実験には、24ヶ月齢の日本白色家兎(Japanese White rabbit : JW)とTGHを用いた。摘出した大動脈の動脈硬化病変を、Elastica-Masson trichrome染色により検討した。また、ケタミンとキシラジンの静脈内投与による持続麻酔下において、大腿動脈圧を測定した。大腿静脈に挿入したカニューレより、NO合成酵素阻害薬であるN^G-nitro-L-arginine methyl-ester(L-NAME)を投与し、血庄の経時的変化を測定した。 JWでは、検討した大動脈のいずれの部位でも、全く動脈硬化病変を認めなかった。一方、TGHでは大動脈弓部に顕著な動脈硬化病変を認めた。定常時血圧は、JWとTGHの間に有意な差はなかった。しかし、TGHの脈圧は、JWよりも有意に大きかった。また、NO合成酵素阻害薬であるL-NAMEの投与によって、JW、TGHいずれにおいても血圧が有意に上昇した。しかし、L-NAME投与後の血圧上昇率には、JWとTGHの間に明らかな差は認められなかった。以上の結果から、TGHの大動脈では動脈硬化が進展していること、それにより血管壁の弾性低下をきたし脈圧を増大させることが示唆された。
|
Research Products
(6 results)