2006 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質間相互作用を利用した積極的な受容体多量体形成による情報伝達修飾の解析
Project/Area Number |
17590469
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Research Institution | Takasaki University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
蓬田 伸一 高崎健康福祉大学, 薬学部, 助教授 (90250802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 政夫 山形大学, 副学長 (40004668)
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Keywords | エンドセリン / 受容体 / 二量体 |
Research Abstract |
ある種の増殖因子では、その受容体が二量体となって情報伝達を行うことがわかっている。G蛋白質共役型受容体でも同じように二量体化して情報伝達系の調節を行うことがいくつかの研究で明らかにされている。一方心筋細胞などにおいてある種の受容体は細胞膜上に均一に分布しているわけではなく、特定の部位に局在して存在していることが報告されている。 私たちは主としてウサギ心筋組織標本を用いてエンドセリン受容体の情報伝達系を研究してきたが、薬理学的な検討からウサギ心筋組織標本におけるエンドセリンの作用(リガンド選択性)は従来報告されている他種のものとは異なっていることを明らかにしてきた。その説明として受容体の構造が他種と異なる可能性を検討したが、分子生物学的な解析から受容体の構造は他の種と大きな違いがないことが明らかになった。そこで、受容体の二量体化による情報伝達系の変化がウサギ心臓におけるエンドセリンの不定型な作用を説明しうるかどうかを明らかにする目的で検討を行った。エンドセリン受容体はET_A、ET_Bの2種類の受容体が存在するが、それらは互いにヘテロダイマーを形成することが示唆された。エンドセリンの作用は種差が極めて大きく、たとえばイヌの心室筋標本に対してエンドセリンは生理的な条件下ではほとんど作用が見られないが、特殊な条件(25℃)では収縮増強作用が見られ、またマウスではエンドセリンは心筋収縮を抑制する。このような作用の違いが受容体レベルで説明できるのかどうかは、今後の検討課題である。
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Research Products
(2 results)