2005 Fiscal Year Annual Research Report
ファーマコジェノミクスに基づくオーダーメイドのH.pylori除菌法の前向き検討
Project/Area Number |
17590470
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
古田 隆久 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教授 (10303546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 直人 浜松医科大学, 医学部, 助手 (90362194)
杉本 光繁 浜松医科大学, 医学部, リサーチアシスタント (80397398)
中村 明子 浜松医科大学, 医学部附属病院, 医員 (80397413)
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Keywords | CYP2C19 / H.pylori / 23S rRNA / テーラーメイド / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
CYP2C19の遺伝子多型とH.pyloriのクラリスロマイシン(CAM)耐性遺伝子多型に基づくテーラーメイドの除菌療法を確立するため、以下の検討を行ってきた。 1.CYP2C19の遺伝子多型に応じたプロトンポンプ阻害剤の至適投与方法について検討した。 健常ボランティアに対して、Lansoprazoleを投与し、24時間平均胃内pHを測定し、CYP2C19の多型別の至適投与方法を確立した。 2.H.pylori陽性患者を無作為に標準治療群とテーラーメイド治療群の二群に振り分けた。迅速ウレアーゼテスト(RUT)の検体からDNAを抽出し、H.pyloriの23S rRNAの2142位、及び2143位のA-G変異を検出し、CAM耐性か否かを判定し、さらに患者のCYP2C19遺伝子多型も検査した。 標準療法群ではLPZ 30mg/AMPC 750mg/CAM 400mgの1日2回の1週間治療を施行。テーラーメイド群では、Hpの23S rRNAの2142位、もしくは2142位に変異が無い場合は、CAM感受性菌と考え、抗生剤はAMPC 500mgx3/CAM 200mgx3とし、PPIはCYP2C19のrapid metabolizer (RM)ではLPZ 30mgx3、intermediate metabolizer (IM)ではLPZ 15mgx3、Poor metabolizer (PM)ではLPZ 15mgx2で1週間の治療とした。Hpの23S rRNAの2142位、もしくは2142位に変異がある場合はCAM耐性菌と考え、抗生剤はAMPC 500mgx4とし、PPIはCYP2C19のRMではLPZ 30mgx4、IMではLPZ 15mgx4、PMではLPZ 15mgx2として2週間の投与を行った。すると、除菌率は標準療法群が70.0%(105/150)であったが、テーラーメイド群では96.0%(144/150)であり、有意に除菌率が高かった(P<0.001)。 以上、CYP2C19に応じた至適なPPIの投与方法を確立したとともに、遺伝子多型に応じたH.pyloriのテーラーメイドの除菌方法を確立した。 現在、新たなレジメンによる個別化療法を検討している。
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Research Products
(6 results)