2006 Fiscal Year Annual Research Report
ファーマコジェノミクスに基づくオーダーメイドのH.pylori除菌法の前向き検討
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17590470
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
古田 隆久 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教授 (10303546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 光繁 浜松医科大学, 医学部, 助手 (80397398)
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Keywords | CYP2C19 / ヘリコバクター・ピロリ / 23S RNA / テーラーメイド治療 / ランソプラゾール / クラリスロマイシン / アモキシシリン / 除菌療法 |
Research Abstract |
ヘリコバクター・ピロリ(H.pylori)に対する標準治療の3剤プロトンポンプ阻害薬(PPI)/アモキシシリン(AMPC)/クラリスロマイシン(CAM)療法の除菌の成否に関わる主な因子に、H.pyloriのCAM耐性とPPIの代謝酵素のCYP2C19の遺伝子多型がある。そこで、それを事前に検査してからのテーラメイドの除菌療法を行うこととした。CAM耐性の有無は、H.pyloriのCAM耐性遺伝子変異である23S rRANのA2142G, A2143G変異をインベーダー法で検査し、CYP2C19の遺伝子多型もインベーダー法で検査した。 CAM感受性菌の場合では過去の検討でランソプラゾール(LPZ)60mg分2,AMPC1.5g分3、CAM0.6g分3にてCYP2C19のIMで高い除菌率が達成されたが、そのIMではLPZ30mgを1日2回投与による24時間平均胃内pHは5であり、このpHを達成するためのLPZの用量・投与方法をCYP2C19の多型別に検討すると、RMではLPZ30mgの3回、IMではLPZ15mgの3回、PMではLPZ15mgの2回投与であった。CAM耐性菌に対して、以前の検討でCYP2C19のPMではAMPCの500mg1日4回とomeprazole(OPZ)20mgの1回投与でCAM耐性に関わらず除菌成功したため、CYP2C19のPMでOPZ20mgを1週間内服した際の24時間平均胃内pHを検討したところ5.8程度であった。このpHを達成するためのLPZの用量・投与方法をCYP2C19の多型別に検討すると、RMではLPZ30mgの4回、IMではLPZ15mgの4回、PMではLPZ15mgの2回投与とした。そして、抗生剤はAMPCを用いるがAMPCの薬物動態やPAEが殆どないことを考慮して500mgの1日4回投与を2週間行った。 H.pylori陽性患者300例のうち150例でテーラーメイドの治療を行い、残りの150例で標準治療を行った。テーラーメイド群で、まず、H.pyloriがCAM耐性か感受性かで振り分け、CAM感受性菌に対しては、抗生剤はCAM200mgとAMPC500mgの1日3回投与を1週間行い、PPIの用量はCYP2C19の多型に応じて上述の用量・投与方法をした。CAM耐性菌に関しては、AMPC2.0gの4分割投与を行い、PPIの投与方法もCYP2C19の多型に応じた上述の投与方法で2週間の治療を行った。すると、テーラーメイド群の除菌率は全体として90%を超え、一方、標準化治療群では70%程度であり、個別化療法群での除菌率が有意に高まった。テーラーメイドのH.pyloriの除菌療法は初回から高い除菌成功率を達成でき、有用な治療戦略であると考えられた。
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[Journal Article] Pharmacogenomics-based tailored versus standard therapeutic regimen for eradication of H. pylori2007
Author(s)
Furuta T, Shirai N, Kodaira M, Sugimoto M, Nogaki A, Kuriyama S, Iwaizumi M, Yamade M, Terakawa I, Ohashi K, Ishizaki T, Hishida A
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Journal Title
Clin Pharmacol Ther 81
Pages: 521-528
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[Journal Article] Modified allele specific primer-PCR method for analyses of susceptibility of H. pylori strains to clarithromycin
Author(s)
Furuta T, Soya Y, Sugimoto M, Shirai N, Nakamura A, Kodaira, Nishino M, Okuda M, Okimoto T, Murakami K, Fujioka T, Akira Hishida A.
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Journal Title
J Gastroenterol Hepatol (In press)
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