2006 Fiscal Year Annual Research Report
脳微小血管のアクアポリン水チャネルの発現・局在調節機構
Project/Area Number |
17590473
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
小林 英幸 宮崎大学, 医学部, 助教授 (40148953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 明彦 宮崎大学, 医学部, 教授 (30131949)
柳田 俊彦 宮崎大学, 医学部, 助手 (60295227)
横尾 宏毅 宮崎大学, 医学部, 助手 (30332894)
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Keywords | 脳微小血管 / アクアポリン / アストロサイト / 脳浮腫 / 内皮細胞 / アグリン / 発現調節 / 網膜 |
Research Abstract |
脳微小血管のアクアポリン(AQP)の発現・局在調節機構を解析し、その病態生理学的意義を明らかにしようとした。 AQPの局在化を調節している分子として、細胞外マトリックスタンパクであるアグリンの解析を行った。脳微小血管には、N-末の長い(LN)アグリンがN-末の短い(SN)アグリンより高レベル発現していた。また、LNアグリンのN-末の配列を、5'-RACE法で決定したところ、脂溶性アミノ酸に富むシグナル配列が存在したことから、LNアグリンは、細胞外マトリックスに分泌されることが示唆された。アグリンN-末-GFP融合遺伝子の発現実験では、LN-GFP、SN-GFPともに、細胞内と細胞膜に発現していた。LN-GFPは培養液に遊離したが、SN-GFPは遊離しなかった。免疫組織化学染色では、SN-GFPのGFP部位は、細胞外膜に局在していたことより、SNアグリンは、N-末が細胞内、C-末が細胞外に発現しているII型膜貫通タンパクであることが判明した。一方、LN-GFPのGFPは細胞外膜に検出されず、細胞外へ分泌されることが示唆された。これらのことより、脳微小血管には主に分泌型のLNアグリンが発現しており、これが、脳微小血管とアストロサイトの接触面のAQPの局在を調節していることが、示唆された。 また、中枢神経系の浮腫形成におけるAQPの役割を調べるため、内毒素誘発ぶどう膜炎による網膜浮腫形成とAQPの発現変化の関係を調べた。微小血管に面したミュラー細胞のAQP4発現は、ラット眼球に内毒素を投与後3日目に、20%減少した後、回復した。一方、カリウムチャネルKir4.1は、投与後3日目に1/2以下に減少し、2週後でも40%減少したままであった。これらのことより、AQP4とKir4.1の異なった発現量の変化が、神経系の浮腫形成に関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)