2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17590487
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
吉田 治義 福井大学, 医学部, 教授 (80135574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 秀樹 福井大学, 医学部, 助教授 (20283187)
高橋 直生 福井大学, 医学部附属病院, 助手 (30377460)
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Keywords | 低気圧性低酸素 / マウス / PAI-1 / VEGF / MCP-1 / マクロファージ / 培養ヒト近位尿細管細胞 / ケモカイン |
Research Abstract |
(1)培養ヒト腎細胞における低酸素刺激のサイトカイン、細胞外基質発現への影響 1)近位尿細管上皮細胞:cDNAアレイ解析法を用いた検討では、低酸素刺激でPAI-1、VEGF発現は有意に増加(6倍、2.4倍)し、TGF-βは0.6倍に低下した。各種インタロイキン、ケモカインの明らかな発現変動はなかった。ECM発現では、フィブロネクチン、ラミニン発現が有意に増加(2.6倍、3.1倍)し、II型コラゲン発現は変化しなかった。次に、Real-time PCR法とELISA法で詳細に検討したところ、低酸素刺激では、PAI-1、VEGFともにmRNA、蛋白レベルで有意に増加し、TGF-βは有意に低下していた。ケモカインについては、MCP-1、オステオポンチン、RANTES、MIP-1α、IP-10を検討し、MCP-1、オステオポンチン、IP-10は有意に低下(0.3倍、0.6倍)したが、RANTESは低酸素刺激で発現の低下が認められず、MIP-1αは有意な発現量を認めなかった。 2)メサンジウム細胞:低酸素刺激でPAI-1、TGF-β mRNA発現は不変であったが、VEGF mRNA発現は有意に増加(2.2倍)した。MCP-1、オステオポンチンは低酸素刺激で、有意にmRNA発現が低下した。 (2)低気圧性低酸素下のマウス飼育実験 低気圧性低酸素環境が恒常的に維持可能なマウス飼育器(平成17年度に作製)にて、マウスを0.5気圧下で72時間まで飼育し、正常気圧下マウスと比較した。72時間後マウスでピモニダゾール(低酸素感受性色素)染色を実施したところ、正常圧マウスでは腎髄質のみに低酸素領域が認められたが、低圧マウスでは低酸素領域が腎皮質へ拡大していた。次に、マクロファージ浸潤(F4/80)、VEGF、PAI-1、TGF-β、MCP-1の発現を免疫染色で解析した。BKS Cg-m+/+マウスでは、8時間、72時間の低圧低峻素刺激で腎間質へのマクロファージ浸潤(F4/80)が有意に増加した。VEGF、PAI-1も72時間の低酸素刺激で特異染色の程度が増強した。
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Research Products
(5 results)