2005 Fiscal Year Annual Research Report
甲状腺刺激ホルモンの抗体産生に対する影響に関する研究
Project/Area Number |
17590492
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
日高 洋 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (30243231)
|
Keywords | TSH / TSHレセプター抗体 / IgG / IL-4 / バセドウ病 |
Research Abstract |
刺激型のTSHレセプター抗体(TSAb)が、TSHレセプター(TSH-R)を介し、甲状腺細胞を過剰に刺激し、甲状腺ホルモン産生が増加するというのがバセドウ病の病因である。このTSAbがリンパ球にも発現しているとされるTSH-Rを介してTリンパ球を刺激し、産生されたサイトカインによりBリンパ球からの抗体(TSAbを含む)産生が促進されるため、バセドウ病はなかなか治らないのではないかとの仮説を考えた。今年度は甲状腺刺激ホルモンの抗体産生に対する影響を下記のような実験で検討した。まずリンパ球の抗体産生におけるTSHによる増強作用について検討した。具体的にはヒト末梢血単核球をヒトリコンビナントTSH共に培養し、上清中のIgG量を測定し、差について調べた。健常人血中レベルであるTSH1μU/mLでは、IgGの産生増加は認められなかったが、原発性甲状腺機能低下症でもみられるレベルであるTSH10μU/mLおよび100μU/mLでは、IgGの有意な(p<0.01)産生増加を認めた(TSHなしの条件に比べてTSH1μU/mL;97.4±7.2%、TSH10μU/mL;108.5±7.2%、TSH100μU/mL;112.6±9.8%)。つぎにリンパ球の抗体産生に関連するサイトカイン産生におけるTSHによる増強作用について検討した。具体的にはヒト末梢血単核球をヒトリコンビナントTSHと共に培養し、上清中のIL-4量を測定し、差について調べた。残念ながらIL-4は検出感度(0.1pg/mL)以下であり、比較することが出来なかった。したがって、来年度は他のサイトカインについて検討することとする。さらに、TSAbの抗体産生への影響について検討する。
|
Research Products
(7 results)