2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヘムオキシゲネース(HO)-1の誘導能からみた抗酸化ストレス防御能の臨床的評価
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17590493
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小園 亮次 広島大学, 病院, 講師 (00304436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 哲也 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (40233100)
神辺 眞之 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70034139)
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Keywords | ヘムオキシゲネース / 虚血性心疾患 / Bach1 |
Research Abstract |
Bach1のさまざまな病態における役割を理解するための基礎的検討 Bach1ノックアウトマウスにおいて以下のことを明らかとなった。 1.虚血再灌流障害を大幅に軽減し、そのメカニズムとしてHO-1の発現上昇によるSTAT3リン酸化の増加、p38MAPKの活性化の抑制と、それに伴うアポトーシスの抑制が重要である。 2.Bach1の欠失は心筋梗塞後の心不全の経過を大幅に軽減し、そのメカニズムとしては梗塞後1週間以降に発現が増加するHO-1と、これに伴う心筋間質細胞の増殖抑制が重要な役割を演じる。 3.Bach1の欠失により血中コレステロール増加による、マウス動脈硬化(アポEノックアウトマウスとBach1ノックアウトマウスの交配マウスを作成し検討)を抑制する効果がある。 また臨床研究で以下のことを明らかにした 1.虚血性心疾患患者においてリンパ球・単球HO-1の発現量は動脈硬化が上昇なほど低下しており、HO-1の発現量は動脈硬化進展のメカニズムになんらかの関わりをもつ可能性がある。 2.リンパ球・単球におけるHO-1の発現量は従来、臨床研究で検討されてきたHO-1遺伝子プロモータのGTリーピーと多型と関連が薄いことが明らかとなり、我々の方法のようにHO-1の発言量を検討することが望ましい。 3.心筋梗塞などのストレス下でHO-1が活性化している証拠は報告されていなかったが、急逝心筋梗塞急性期に連続採血をおこない、HO-1の分解産物であるビリルビンが一過性に上昇することを明らかにした。急性疾患における血中ビリルビンの上昇やリンパ球・単球のHO-1発現の検討は臨床的に有用である可能性が示唆される。 このような検討結果を踏まえHO-1やBach1による酸化ストレスの制御についての理解を深め、臨床応用が可能となるよう検討を進めたい。
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Research Products
(3 results)