2007 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチン・プロテアソーム系を指標とした悪性腫瘍に対する新しい検査法の開発
Project/Area Number |
17590494
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山田 恭暉 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (60145232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 寛雄 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (00398166)
上平 憲 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80108290)
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Keywords | ユビキチン / プロテアソーム / 悪性腫瘍 / ATL / p53 / Mdm2 / HTLV |
Research Abstract |
成人T細胞白血病(ATL)をモデル疾患として、各種ユビキチンリガーゼ(E3)の発現を検討してきた。これまでにATL細胞では他の癌種と異なりSCF^<Fbll/Skp2mRNAはまったく増加していないことを明らかにした。さちに検討を進めたところ、癌抑制遺伝子p53のE3であるMdm2は正常細胞と比較して有意に発現が増加していることが明らかになった。以上の結果から、現在多数の検体を数時簡以内に処理でき、また各種E3を同時に測定可能なTaqMan probeを用いた individualized quantitative real-time multiplex PCRのセットアップを進めている。Mdm2の発現量はATLの悪性度と相関しないことから、ATLにおいてMdm2の定量は早期診断に有用であると想われる。また最近、細胞の崩壊によってプロテアソームが血清中に遊離してくることが明らかにされている。血清プロテアソーム活性の定量は悪性腫瘍以外の疾患の診断にも有用性が高いと考えられるため、この点についても検査レベルでの測定が可能なように簡素化を検討している。 最近Mdm2の機能を特異的に抑制する新規抗癌剤であるNutlin-3aが開発されて注目されている。Mdm2を高発現しているATL細胞はNutlin-3aに対して高い感受性を示し、apoptosisやcell senescenceが誘導された。Nutlin-3aはp53遺伝子変異のある細胞にはまったく奏功しないが、ATLでは80%以上の症例がp53はwild typeであるため、多くの症例でNutlin-3aは有効性を発揮するものと思われる。 さらに私達は脱ユビキチン化酵素でありNF-kBの活性化を抑制することで知られているCYLD遺伝子がATL細胞で欠損していることもマイクロアレイ法によって明らかにした。これらの結果を統合し、新しいユビキチン・プロテアソーム系に対する検査法の確立につなげる予定である。
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Research Products
(3 results)