2005 Fiscal Year Annual Research Report
透析アミロイドーシスの分子機構の解明とそれに基づいた早期診断法の確立
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17590496
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
内村 友則 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (20363616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 征郎 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20082282)
阿邉山 和浩 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 客員助教授 (30284897)
橋口 照人 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (70250917)
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Keywords | 血液透析 / 透析アミロイド症 / β2-microglobulin / 小胞体ストレス / 蛋白折り畳み異常 |
Research Abstract |
1)β2ミクログロブリン(β2M)の蛋白立体構造変化(ミスフォールディング:折れ畳み異常)が、たんぱく質合成段階でおこるか、放出後におこるかの検討。ヒトの培養細胞セルラインである、THP-1を用いて、化学的小胞体ストレスを起こす、Tunicamycin、DDT、を使用し、細胞内、細胞表面の抗92-99抗体に反応する、折れ畳み異常β2Mが出現するかの検討を行った。細胞表面の発現を、フローサイトメトリーにて検討したところ、10μg/ml Tunicamycin,2.5mM DTT刺激において、抗92-99抗体反応性の折れ畳み異常β2Mの細胞表面上の上昇がみとめられた。同様に、温熱刺激、浸透圧刺激、にてでも同様に、抗92-99抗体反応性の折れ畳み異常β2Mの発現増強がみとめられた。種々の刺激によって、抗92-99抗体反応性の折れ畳み異常β2Mが細胞表面上に発現がたかまっていることが確認された。 細胞内の折れ畳み異常β2Mを、細胞質成分を抽出し、EIAにて測定をおこなった。非刺激のコントロール群と比較し、Tunicamycin、DDT投与群で抗92-99抗体反応性β2Mの上昇が見られた。 小胞体ストレス刺激により、細胞外、細胞内ともにミスフォールディングβ2Mが増加することを確認した。 2)透析患者検体でのミスフォールディングβ2Mの発現の検討を行った。透析者の末梢血白血球表面のミスフォールディングβ2Mをフローサイトメトリーにて解析、発現量を検討した。ミスフォールディングβ2MのEIAを確立し、血清中および透析濾過液のミスフォールディングβ2M量を検討した。今回の、検討では、透析者、健常者とも血清中のミスフォールディングβ2Mの検出はなされなかった。また、白血球表面上のミスフォールディングβ2M発現の検討において、健常者群と比較し、透析アミロイド症の確認されている透析歴10年以上の透析者の一部においてミスフォールディングβ2Mの白血球上の発現増強があった。
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Research Products
(6 results)