2006 Fiscal Year Annual Research Report
透析アミロイドーシスの分子機構の解明とそれに基づいた早期診断法の確立
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17590496
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
内村 友則 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (20363616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 征郎 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (20082282)
阿邊山 和浩 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 客員助教授 (30284897)
橋口 照人 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教授 (70250917)
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Keywords | 血液透析 / 透析アミロイド症 / β2-microglobulin / 小胞体ストレス / 蛋白折り畳み異常 |
Research Abstract |
β2MGタンパク、アミロイド化β2MGにてmAbβ2MG92-22との反応性を検討したところ、中性状態の正常の立体構造に近いβ2MGは、mAbβ2MG92-22とほとんど反応がなかったものの、酸化状態にするとわずかに反応性がみられた。また、アミロイド化β2MGは、mAbβ2MG92-22の抗体にて非常に強い反応性があることがわかった。正常の立体構造のβ2MGは、c末がタンパク内部にかくれており、アミロイド化することにより、立体構造変化し反応するようになったと考えられる。 単球系の細胞において、温度刺激、浸透圧刺激、ラジカル刺激などにおいて、mAbβ2MG92-22に反応するβ2MGが増加することがわかり、種々の刺激で折れ畳異常のβ2MGが増加していることが確認された。同様の刺激で、GRP78のmRNAの上昇の程度にて、小胞体ストレスの度合いをみたところ、折れ畳異常のβ2MGが発現増強している刺激においては、小胞体ストレスも上昇していることが分かった。 維持透析患者にて、白血球細胞膜表面上の折れ畳異常のβ2MGの発現をみたところ、健常者に比し発現が上昇傾向にあった。また、患者検体の白血球よりRNAをとり、小胞体関連シャペロン分子の発現をみたところ、透析者ではGRP78のmRNAは健常者と比し増加傾向がみられた。維持透析者においても、ERストレス、折れ畳異常のβ2MGの発現がみられていた。 また、透析アミロイド症患者からとられた手根管組織の検討において、β2MGの沈着、アミロイド化、mAbβ2MG92-22の反応性について、組織学的検討をおこなったところ、従来のポリクローナルβ2MG抗体により検出されるβ2MGの沈着部分は、コンゴレッド、偏光顕微鏡にてアミロイド化を検討し比較したところ、すべてアミロイド化されているとはかぎらなかった。mAbβ2MG92-22の染色される部分はアミロイド化が起こっているところが大部分であった。
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