2005 Fiscal Year Annual Research Report
尿中マクロファージ型可溶性FcγレセプターIIIa測定の腎疾患病態評価への応用
Project/Area Number |
17590503
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
桝田 緑 関西医科大学, 医学部, 講師 (50173753)
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Keywords | 臨床検査 / ELISA / CD16 / 腎疾患 / 尿 / マクロファージ / 可溶性FcγレセプターIIIa |
Research Abstract |
IgGレセプターIII(FcγRIII : CD16)には、NK細胞とマクロファージ(Mφ)に発現しているIIIa型と、好中球に発現しているIIIb型があり、両者とも細胞の活性化によって細胞表面から放出され、可溶型(sFcγRIII)として血漿中に存在している。すなわち、これら可溶型を個々に測定することにより、生体内での好中球,NK細胞あるいはMφの活性化を知ることができる。そこでIIIa型およびMφ由来のIIIa型に特異的なモノクロナル抗体を作成し、血漿中のsFcγRIIIaおよびsFcγRIIIa^<Mφ>測定法を構築した。さらに、化学発光系を利用して、約80倍の高感度化に成功した。3種のsFcγRIIIs測定系の感度差より、正常プール血漿に含まれるsFcγRIIIaは大部分がNK細胞由来、総sFcγRIIIは大部分が好中球由来であった。現在、これら可溶型の絶対値を算出するために、リコンビナントsFcγRIIIaを精製中である。 単球/Mφは各種炎症に関与し、炎症部位において抗原提示や様々なサイトカインを放出し、組織傷害性に働く事は良く知られている。腎疾患においては糸球体や尿細管、間質の炎症により同部位に単球/Mφの湿潤が認められ、その発症や進展に関与すると報告されている。実際、尿中のMφ数およびFcγRIIIa陽性Mφの有無で腎症の活動性を評価する事ができると言われている。すなわち、尿中sFcγRIIIa^<Mφ>測定により、それらの評価が可能と考えられる。そこで、まず健常者尿中の3種のsFcγRIIIsを測定したところ、血漿中の1/5〜1/10程度であり、3種のsFcγRIII測定法の感度は充分と考えられた。
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