2006 Fiscal Year Annual Research Report
リラキシンおよびリラキシンC-ペプチド検出系の確立と卵胞生育機構の研究への応用
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17590506
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
安東 勢津子 Fukuoka University, 理学部, 助手 (20078562)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
衣笠 哲史 福岡大学, 医学部, 講師 (90279266)
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Keywords | リラキシン / リラキシンC-ペプチド / 卵胞発育 / リラキシン受容体 / LGR7 / ヒト初期卵胞 / 固相ペプチド合成 / S-S-架橋 |
Research Abstract |
リラキシン(relaxin)は妊娠ホルモンのひとつとして発見されたペプチドホルモンで、24個のアミノ酸残基からなるA鎖と29個のアミノ酸残基からなるB鎖によって構成される。インスリンファミリーに属するがインスリン様の生物活性はない。現在までのところ、ヒトではH1、H2、H3リラキシンが報告されている。リラキシンは卵巣などのさまざまな臓器で分泌され、血中に移行し機能する。リラキシンの受容体であるLGR7とLGR8はさまざまな組織に発現している事が近年明らかになった(Hsu SY., et. al.: Science.295:671-4 2002)。しかし、初期の卵胞(胞状卵胞期以前の)成育の調節機構については、今も不明な点が多い。我々はLGR7の卵胞内局在と卵巣皮質切片の培養実験により、リラキシンが初期の卵胞の発育促進作用を有する事を見つけた(J Clin Endocrinol Metab,90(1):516-521,2005.)。リラキシンの卵胞成熟作用と機序をさらに検討していくためには、リラキシン検出用の特異抗体、リラキシン測定系およびリガンドとしてのリラキシンが必要となる。ヒトリラキシン(H2)測定用の抗体を作製するための免疫原として、H2はS-S結合を3個持つことから全合成には工夫が必要であった。Cys残基の選択的脱離が可能である保護基としてAcm基,Trt基,Mmt基,t-Buthio基等を選択してFmoc-Chemistryのみでアプリイドバイオシステム社の自動固相合成装置(Pionner及びABI-433A)でA鎖、B鎖を現在合成中である。S-S-架橋後の精製がし易いように樹脂から脱離せず合成していく方法は新規な方法である。またB鎖のN端からI〜10残基、および中央部分の12〜22残基のフラグメントをそれぞれ4本あるいは8本持つデンドリマーを合成終了した。フラグメントを4本持つデンドリマーは精製中である。フラグメントを8本持つデンドリマーに関しては溶解性に問題があったため検討中である。
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Research Products
(6 results)