2006 Fiscal Year Annual Research Report
産業医学への遺伝子診断の応用-遺伝子解析結果を利用した健康指導システムの開発-
Project/Area Number |
17590519
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Research Institution | University of MIYAZAKI |
Principal Investigator |
加藤 貴彦 宮崎大学, 医学部, 教授 (70169506)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 嘉紀 宮崎大学, 医学部, 助教授 (50234620)
中尾 裕之 宮崎大学, 医学部, 助手 (40336293)
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Keywords | 遺伝子診断 / 飲酒 / ALDH2 / 遺伝子多型 / 行動変容 |
Research Abstract |
平成18年度 1.平成17年度の介入研究を継続実施した。通知群235名中、期間中に通知できたのは154名(65.5%)で、うち139名(59.1%)を追跡できた。非通知群は、233名中203名(87.1%)を追跡できた。通知前後の飲酒習慣、肝機能検査データは、通知前と通知後1年後の健康診断データを使用した。その結果、毎日飲酒する人の割合は、通知前後で男女とも飲めない遺伝子であるGG型保有者で通知群、非通知群ともに増加傾向がみられた。不況による過ストレスや女性への深夜勤務導入などが要因として考えられた。男女別、遺伝子型別に通知前と通知後5か月のGOT、GPT、γ-GTP値を比較したが、通知群、非通知群ともに有意な変化はみられなかった。 2.行動変容ツールとして有用な候補遺伝子の探索:遺伝子多型と癌との関連 Nitric acid synthase遺伝子のTandem repeat numberとInterleukin-1βの遺伝子多型と胃癌感受性との関連性にっいて疫学的に解析した。Nitric acid synthase遺伝子のTandem repeat numberとIntestinal typeの非喫煙女性胃癌罹患との間に統計学的に有意な関連性が観察された。PhIPの代謝に関与するGlutathione S-transferase (GST) A1の遺伝子多型と前立腺癌、口腔扁平上皮癌、尿路上皮癌との関連性について症例一対照研究を行った。その結果、GSTA1遺伝子多型と喫煙者前立腺癌、男性喫煙者口腔扁平上皮癌、非喫煙者尿路上皮癌罹患とのあいだに、統計学的に有意な関連性が認められた。
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